• 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31

(SS)大切なあなた②

こんばんは!

続きを持ってまいりました!

今日はもう寝ます←

パソコンで書いたのをここにペーストしてるんですが、勝手が違うらしく、書式とかが統一できません・・・

すみません(>_<)

それでもよろしければお付き合いくださいませ!

 

 

 

 

****************

 

 

 

「じゃあ、姉さん行ってくるね。」

「青慎、勉強頑張るのよ!姉さんも頑張るからね!!また帰ってくるから。」

「うん、ありがとう。姉さんも身体大事にしてよ。」

「ええ!私は丈夫だけが取り柄だもの!気にしないの!じゃ、もう遅刻するわよ!夕餉は作っておくからね。行ってらっしゃい!」

 

青慎を学問所へ見送ってから青慎の為に夕餉を作った。と言っても、気が付くとほとんどが陛下の好物ばかりだったけれど。

出来上がると急いで包んで家を出る。

 

____約束だもの。早い方がいいわよ、ね?

 

言い訳めいたことを考えたけど、実際王宮での暮らしが長くなってきていて、陛下の気配がないのを寂しく感じていた。

 

____バイトが終わったら、私、大丈夫かしら?

 

先のことを考えてちょっと悲しくなってしまう。でも今はそれよりも約束だ。

陛下が待っていてくれるのならば急いで帰りたい。

王宮への道を急いで歩いた。

 

 

「え?どうされたんですか?」

 

老師のところで妃衣装に着替えて回廊に出ると侍女さんたちが今か今かと待ち受けていたようだった。

 

「お妃様、お待ちいたしておりました。さ、さ、お急ぎくださいませ。時間があまりありませんので。」

 

どういうことだろう。確か陛下は日没までにと言ってたはずだ。まだ日没までには時間があるし、予定よりも早く帰ってきたのに。

 

____何か予定が入っていたかしら?

 

考えてみるものの何も思い出せず、取り敢えず侍女さんたちの成すがままに任せた。

 

部屋に戻ると見たことのない衣装に宝飾品が並んでいた。

 

「こ、これは・・・?」

 

なんだか心もとないほど胸元も開いてるし、脚も透けて見えそうな衣装だ。

 

「お妃様、陛下より本日の夕餉はお妃様と共に召し上がるとお聞きいたしました。その時にこれを、と陛下から仰せつかっております。」

「へ、陛下が・・・。あの、ですが、少し派手ではないでしょうか?」

「いいえ!!お妃様の為に陛下が内緒で新調したものだと聞き及んでおります。御寵愛の表れですわ。本当に私どもも感激いたしました。」

 

侍女さんたちは目をキラキラさせて胸の前で手を組んで頬を赤らめて力説する。

 

「あ、あの、その、・・・あ、ありがとうございます。で、ではお手伝いをお願いできますか?」

 

そう言うと侍女さんたちは満面の笑みを浮かべ、嬉々として私を飾りだしたのだった。

 

 

 

 

 

「妃よ、今戻った。」

「へ、陛下、お帰りなさいませ。」

「ふっ、昨日は君の笑顔が見られず此処はまるで極寒の地の様であった。やはり君がいるだけで暖かく感じるな。」

「あ、ありがとうございます。わ、私も寂しゅうございました。」

「して、妃よ。」

 

じっと陛下が見つめてきた。居たたまれないわ。きっと似合ってないもの。

 

「とても・・・美しいな。気に入ってくれたか?」

「あの、その、とても綺麗で。あの、似合ってますでしょうか?慣れなくて・・・。」

「とても似合っている。」

 

そう言うと美しく笑い手を差し伸べてきた。

 

「では、共に夕餉を。」

 

陛下の手に自分の手を重ねると急に視界が揺れた。

気が付くと陛下の腕の中に抱き上げられている。

 

「へ、陛下、あの何を・・・。」

「いや、少し移動するのでな。妃も帰ったばかりで疲れているだろうから労わらなければ。」

「いえ、あの陛下もお仕事でお疲れでしょう?私は大丈夫なので降ろしてくださいませ。」

 

侍女さんたちの手前暴れることができないのをわかっていて楽しそうに抱きしめてくる。

 

「ふむ。だがしかし妃よ。こうしている方が温かい。離れていた間の分も温めて欲しいのだが。」

 

美しい笑顔に寂しさを湛えた瞳で告げられては太刀打ちできない。

そんな風に色気を撒き散らさないでほしい。

 

脱力した私は結局陛下に抱きしめられたまま移動することになった。

 

移動した先は回廊の少し張り出した所で。満天の星空が見えていた。

陛下は私を降ろすと侍女さんたちを早々に下げた。

 

「ね、ゆーりん、寒くない?大丈夫?」

「はい、大丈夫です。火鉢もありますし、暖かいですよ。それよりも、これはどうしたのですか?」

 

いつもはこの場所にはない卓にはお皿が並べられていて、お酒や飲み物まで用意されている。ただの星見ではないのかしら?

 

「あー、うん。今日ね、新月で月がないから星が綺麗でしょう?周が、今夜は流れ星が多いって教えてくれたから、一緒に見たいなと思って。」

「それで早く帰るように仰ったのですね。ありがとうございます!!絶対流れ星を見つけて願い事をしましょうね。」

 

そう言うと陛下はキョトンとした。

 

「あー、そっか、願い事かあ。したことなかったな。」

「じゃあ、今日、初めてですね?楽しみですね。では、早速夕餉の準備をしますね。早く食べてのんびり星を眺めましょう!」

 

そう言ってお土産に持ってきた食べ物を卓いっぱいに並べた。

 

「わあ、すごいね、ゆーりん。がんばったね~。」

 

にこにこと子犬の笑顔を向けてくれる。この笑顔が見たくて頑張ったのよね。

 

「はい!こちらではあまり作る機会がないので、陛下が以前美味しいと言ってくださったもの中心に作ってきました!どうぞ。」

 

そうして二人きりの星見の宴が始まった。

 

陛下は何度も「美味しいね、美味しいね。」と言いながら、結構な量を全て平らげてしまった。本当に作り甲斐のある方なのだ。ちゃんと褒めてくれる、それが嬉しくてまた作ってしまう。

料理をする妃なんて駄目なんだろうけど、この笑顔がもらえるなら、後ろ指さされてもいいと思う。

 

料理も全て食べ終わって、食器は下げてもらった。

 

二人で長椅子に座って空を見上げ、下町での他愛のない話をしながら流れ星を待った。

 

「あ!そうでした!陛下に、もう一つお土産があるんでした。」

 

懐から包みを取り出し一つを陛下に差し出した。

 

「え?どうしたの?お土産ならさっき食べたけど。」

「いえ、これは、その、食べ物ではなくてですね。あのいつもお世話になっているのでお礼にと思いまして。」

「へ?お礼?なんで・・・?」

「あ、いや、その~、珍しかったので。あ、私には!ですよ。陛下は御存じなのかもしれませんが。あの・・・。」

 

陛下が包みを見つめたまま固まっている。もしかして失礼だったかしら。私ったらただの臨時花嫁なのに陛下に贈り物なんて・・・。顔から血の気が引いてくる。

 

「あ、違う!ゆーりん、嫌とかじゃないから。」

「いえ、あのすみませんでした。私、出過ぎたことを。ただの庶民が陛下にお礼とはいえども品を差し上げるなんてずーずーしいにも程がありますよね。すみませんでした。」

 

差し出した手をひっこめようとしたら陛下の手がすっと伸びてきて引き寄せられ膝の上に誘われた。

 

「へ?あの、その・・・へ、陛下?」

「いや、夕鈴、ごめん。いやじゃないよ。ただびっくりしたんだ。」

「・・・?」

「今日、さ。実はね、僕の誕生日なんだ。」

「え?え~~~!それならそうと、って言うか誕生日に庶民料理ってどうなんですか?すみません、もう何から何まで。私、何も知らなくて。」

「うん、誰も知らないと思うよ。公表してないし。めんどくさいよ。」

「めんどくさいって、陛下。本当なら民も総出でお祝いするところではないのですか?」

「うーん、それがめんどくさい。即位してから何もしてないし。」

 

そういえば陛下の代になって王の誕生日のお祝いのお祭りはなかったっけ。先代の時は町に活気はなかったけれど、王の誕生日には彼方此方で特売があったりして張り切ったものだったことを思い出す。

 

「じゃあ、なおさら、こんなもの差し上げるわけにはいきません!見なかったことにしてください!!」

 

陛下の膝の上で暴れて隠そうとした私の腕をつかみ包みを奪い取ると蕩ける様な笑顔で笑った。

 

「ううん、夕鈴、嬉しいよ。君が僕のことを想って選んでくれたのだろう?離れていても私のことを考えてくれていたとは、感無量とはこのことだな。」

「~~~~~今演技は要りまっせ~ん!!!」

 

ぎゅーっと抱きしめてくるのを少し追いやる。心臓に悪いからやめて欲しい。

 

「はは、そうだね~。ごめん、ごめん。」

 

そう言いながら包みを開ける。中からコロンと根付が出てきた。

 

「これ・・・根付?」

「は、はい。あの、剣の柄に付けても大丈夫かと思いまして。その、王宮では無理だと思うのですが、何処かお忍びの時にでも付けていただけたらと・・・。」

 

言いながら顔がだんだん熱くなるのを感じる。取り敢えず、さっさと説明して、要らないなら返してもらおう。

 

「それで、その琥珀が付いていたので。あの、陛下と同じハクだから、王宮では特別な石だと李順さんから聞いていたので。それに、鈴が、あの特別な硝子でできているそうで初めて見たんです!」

 

そう言われて根付を見遣れば確かに珍しい鈴だった。でもそれだけじゃない。夕鈴、君ってホント恥ずかしがりだよね。

 

「確かに珍しい鈴だね。で、ゆーりん、それだけ?」

「いや、あの、その~~~//////。」

 

どうしても彼女から聞きたくて甘えた声を出してみる。

 

「・・・。」

「~~~あの!一緒についてる細工、兎なんです!!陛下、私の事兎みたいって仰るからですね、その~~~/////。」

 

ふふ、可愛いな。耳まで真っ赤だ。

 

「そっか。ありがとう!大事にするね。いつも夕鈴と一緒みたいで僕嬉しいよ。で、もう一つの包みは何が入ってるの?」

「あ、こ、これはですね、簪なんです。本当はこっちがメインで。そっちはオマケなんです。そんなもの陛下の御誕生日になんて、本当に申し訳なくて・・・。」

 

目をウルウルさせてお嫁さんが言う。こんなに可愛いなんてずるいよ。

 

「いや、大事にするよ。夕鈴の気持ちが嬉しいんだ。ね?気にしないで。そっちも見せてよ。」

 

そう言うと包みをおずおずと開けて中身を取り出し見せてくれた。

 

「あ、れ?これ・・・?」

「はい、私のは陛下の即位記念で作られたものなんだそうです。それで、いつもは贅沢品は買わないのですが、つい・・・/////。」

 

装飾品を贅沢品だと言う君がつい買ってしまった簪。

それが僕に纏わるものであったことがこんなに嬉しいとは。

どこまで君に溺れているのやら。そんな自分に苦笑してしまう。

 

「では、早速。」

 

君の手から簪を抜き取るとすっと髪に挿した。

 

「うん、とっても似合ってるよ。僕の物って印みたいだね?」

 

夕鈴自らが僕を思い出す品を選んでくれたことが嬉しい。今日、それがもたらされたことが本当に奇跡の様で。

 

「あ、ありがとうございます。あの、そんなに見つめないでください。恥ずかしいです!」

「ふふ、嬉しいんだ。せっかく夕鈴を愛でようと着飾らせたのだからいいだろう?」

 

そう言うと更に真っ赤になって俯いてしまった。

 

「あの、だからこの格好なんですか?」

「うん、綺麗な夕鈴を見て楽しもうと思って。本当は誕生日なんて言ったら驚くだろうから内緒にしておくつもりだったんだけどね。夕鈴があんまり可愛いプレゼントをくれるから、つい話しちゃったよ。」

 

話しながら自分の刀剣の柄に根付を付ける。

 

「うん、ほら、いい音だね。御揃いだ。」

「へ、陛下!陛下には似合わないです。あの、李翔さんの姿の時にでもと・・・」

「え~、ゆーりん酷いな。僕には君を思い出す術をくれないの?」

「だって、李順さんに・・・。」

「じゃあ李順が何も言わなきゃいいんだろ?それまで付けておく。ね?そうしよう。鈴の音が鳴るたびに夕鈴を思い出せるね。これで政務も頑張れるよ。ね?」

「~~~はい、わかりました。付けてくださって、とても嬉しいです。」

 

頬を染めてふわっと笑う君をまた腕の中にぎゅっと囲い込んだ。

 

「~~~////。」

「あ!ほら、夕鈴!流れ星だよ!!」

 

腕の中の兎が逃げ出さない様に話を逸らす。

 

「あ!本当ですね!早く願い事をしなくちゃ。あ!また流れました!」

 

二人で寄り添って夜空を見つめる。願うべくは。

 

 

 

『ずっと君が傍で笑っていてくれますように。』

 

 

『ずっとあなたが幸せでいられますように。』

 

 

 

『大切な貴方(貴女)』

 

 

 


スポンサーサイト

(SS)大切なあなた①

おはようございます!

昨日は雨が降って冷房がよく聞いたこちらの気候も今日は晴れ・・・

晴れると人の出入りの多いうちの会社の冷房はちっとも効きません。

冷房の中汗かくってどういう意味だ?

さて、今日も某国より転載になります。

もしよろしければお暇つぶしにでもどうぞ。

 

 

【臨時花嫁】

 

*************

 

 

 

 

政務が終わって夕鈴の部屋を訪れると卓に座って真剣に何かを読みふける君を見つけた。

そっと手を上げて侍女を下げ、ゆっくりと後ろから近づいて抱きしめる。

 

「わきゃ!!へ、陛下!び、びっくりした~。ど、どうかされましたか?」

 

驚いて目に涙をためて振り向き頬を染めて見上げてくる。

 

「うーん、ゆーりんが気が付かないから・・・」

 

思いっきりいじけた顔をして彼女を見つめかえした。きっと彼女には耳を垂らした幻の僕が見えてるんだろう。

 

「~~~~~///////

「寒いから夕鈴のお茶が飲みたくて来たのにさ。だから、先に夕鈴に暖めてもらおうかと思って。」

「それ、は、・・な、ぬ。す、すみません・・でした。で、では、お茶をお入れしますね!」

勢いよく立ち上がろうとする彼女の細い腰を攫って自分の膝の上に誘う。

「お茶は後でいいよ。それよりも寒いからもう少し夕鈴で暖まりたいな。」

 

首をかしげて頼むと君は目をグルグルさせながらも小さな声で「はい。」と答えてくれた。

了解を得たので遠慮なく彼女の肩に顔をうずめて、お腹の前で組んでいた腕に少しだけ力を込めた。彼女は少しビクッとなったけど、

 

「落ちたら困るでしょう?それに、ぴったりとくっついてた方が暖かいよ。ね?」

 

と言うと「そ、そうかもしれません。」と真っ赤になって言ったきり下を俯いてしまった。

 

「で、ゆーりん、何をそんなに真剣に読んでいたの?」

「あ、そうでした!青慎からの手紙です!!」

 

縋るような瞳で答えた。目も潤んでいるし、両手を胸の前で握りしめている。

 

「・・・何かあった?」

 

こんな彼女を見れば何を言われるのかは大体分かる。あまり聞きたくはないが僕は彼女には甘いのだ。彼女が喜ぶだろうことはしてあげたい。

 

「いえ、あの、陛下。・・・お、お休み、頂けないかと思いまして・・・。」

 

やっぱり!!嫌な予感はよく当たる。

 

「えっ!なんで?また何か問題でも起きたの?」

 

それなら付いて行こう。李順が何と言おうと心配だ。いろんな意味で。

 

「い、いえ、何も。・・・あの、あの子の、青慎の誕生日があったんです。下町にいた時は毎年贅沢はできなくても、あの子の好物を作って、夜遅くまで双六をしたりしながらおしゃべりをして、楽しく過ごしていました。だから、その、もう過ぎてしまったのですが、誕生日を祝ってやりたくて。・・・無理、でしょうか?」

 

そんな肩を震わせて目をウルウルさせる君に勝てる人っているのかな?凶悪だよね、僕のお嫁さんは。

 

「・・・2日くらいなら、大丈夫かも。」

「ほ、本当ですか!!」

 

頬を染め嬉しそうに見つめてくる。その笑顔、凶器だよ、夕鈴。

 

「明日、李順に聞いてみるよ。」

「あ、ありがとうございます!」

 

意地でも休みをあげる様にしよう。お嫁さんが笑ってくれるなら。

 

 

 

 

 

 

 

「では、陛下、行って参りますね。お休みありがとうございます。」

「うん、夕鈴が嬉しいと僕も嬉しいんだ。」

 

二人で笑いあう。こんな穏やかな時間をくれる君が愛おしい。

 

「でね、夕鈴、お願いがあるんだけど。」

「はい、お土産ですか?陛下の御好きなものも沢山こさえてきますね。」

「あー、うん、それは凄く嬉しいな。とても楽しみだ。だけど、そうじゃなくてね。」

「・・・?」

 

小首を傾げてこちらを見上げてくる。あー、帰したくないな。

 

「ねぇ、夕鈴。明日、必ず、日が落ちるまでには帰って来て欲しいんだ。」

「日が落ちるまで・・・ですか?」

「うん。・・・約束、して?」

「・・・はい、わかりました。美味しいもの沢山作ってきますね!一緒に夕餉を頂ましょう。」

握りこぶしを突き上げて「まかせてください!」と意気込む君に自然と頬も緩んでしまう。

「じゃあ、約束ね!」

「はい、約束です。」

 

そう言うと夕鈴は下町に戻って行った。

 

 

 

 

 

家に帰りながら食料を物色する。下町も久しぶりで、値切るのにも力が入る。

やっぱりここが私のいる場所なのね、と思いながら王宮のあの人を思って寂しくなった。

でも、近くに居られる間は私が出来ることはしてあげたい。あの人が少しでも癒されるのであれば、と青慎の好物とは別に陛下の好物の材料も買った。きっといつもみたいに「美味しいよ。」って言ってくれる顔を思い浮かべると心がポカポカして寒さも忘れてしまう。

偽物の妃に優しい陛下。気持ちは伝えられないけれど、想いを込めて好物を作ろう。

青慎の誕生日を祝うために休みをもらったのに、気が付いたら陛下の事ばかりを考えていた。

肝心のプレゼントを買い忘れていたのに気が付いたのは家に着いてからだ。

まだ日は高いし今日は泊まれるから、もう一度市まで行こう。今度は食料ではなくて、雑貨店が多い通りにしようと急いで家を出た。

 

露店が多く立ち並ぶ通りには所狭しと色々な行商が立ち並んでいて、特に何にするか決めていない私は彼方此方覘いては通り過ぎることを繰り返していた。

何件目かで青慎にぴったりの着物を見つけそれにすることにした。いつもは私が仕立てているけれど、後宮で妃が針仕事を、しかも男物のあまり質の良くない生地の物を仕立てるのは良くないだろうと新しい着物をあげるのは諦めていたのだ。値段も手ごろなものを見つけられて良かった。

ウキウキと帰ろうとしたその時だった。

 

____ちりん、ちりん。

 

何処かから澄んだ音色が聞こえてきた。

音のなる方を見やると綺麗な簪がしゃらんしゃらん、ちりんちりん、と風に揺られ音を奏でていた。垂れ下がった金細工と鈴の音のようだった。

 

____綺麗。

 

いつもなら気にならない装飾品なのに、何故か音が耳から離れなくて、引き寄せられるように露店に近づいた。

 

「ねえちゃん、ひとつどうだい?」

「え?私?・・・私なんて似合わないもの。」

 

そう言って離れようとすると店主は慌てて話し出した。

 

「ま、待ってよ。見ていくだけでもいいからさ。この鈴、硝子なんだよ。ちょっとやそっとじゃ割れない様に出来てんだ。まだ有名じゃないからこの値段だけど、きっとこの技術はお偉いさんの目に留まる。そしたらこの値じゃ買えなくなるってオレは思ってんだ。な?見たことねえだろ?」

 

確かに先程から硝子同士が風に吹かれてぶつかり合っているのに割れない。それに、とても心地よい音を紡いでいる。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて、もう少し音を楽しんでいいかしら?」

しばらく音に耳を傾けながら眺めていると気になるものを見つけてしまった。

「お、ねえちゃん、それ気に入ったかい?」

「ええ、珍しいですね。簪に犬の飾り、ですか?」

「これね~、犬じゃないのよ。狼なんすよ。」

「え?狼?」

「実は狼陛下が即位された時に記念にって作ったんですがね。ほら、あの通りの噂でしょ?なかなか買い手がつかなくてね。未だに残ってるんですよ。ほら、ちゃんと王家の方の瞳が赤いってんで珠も赤でしょ?綺麗だと思うんだけどねえ。陛下がらみってんでいい珠使ってんですけどね。・・・気に入ったんなら安くしときますよ。」

 

安く・・・それは魅力的な言葉だけど、今日の目的は青慎の誕生日だ。私のはとっくに過ぎているし、自分の為に何か買うなんてことしばらくしてなかった。王宮に居れば付ける機会はないであろう装飾品、陛下がらみと言うのは頬が緩むけれどやっぱり贅沢よね。

黙り込んでいると悩んでいると思われたらしく店主が更にお得なことを言ってきた。

 

「~~~んじゃ、ほら!こっちの、御揃いの根付もあるぞ。おまけに付けようじゃねえか。

旦那にプレゼントしてやったら喜ぶぜ~。」

 

旦那って・・・。いるけど、偽物だし。

さらに黙り込んでしまう。

 

「あ?もしかして旦那にはなってないのか?そうか、じゃあこれ持って行って気持ちを伝えたらどうだ?」

「これって、これはちょっと・・・。狼は、ね。」

 

陛下に狼なんて冗談じゃないわ!私は狼の簪でいいけど。すっかり買う気になって考えている自分に笑えるけど。

 

「じゃ、じゃあ、わかった!ねえちゃんの恋が実るように、なんでも好きな根付持ってけ!これでどうだ!!!」

「ほ、本当?じゃあ買うわ。おじさんありがとう。」

 

そう言うと、実はさっきから目の端に入っていた一つの根付を指さした。

 

「ね、ねえちゃん・・・目が高すぎるよ。」

「・・・駄目、なの?」

 

そうよね。李順さんのお妃教育の賜物で宝飾品のある程度の知識がある私は陛下にあげてもまあ困らない程度の珠が使われていると思われるものを選んでいた。

ちょっと落ち込んで店主を見遣り店を後にすることにした。

 

「ちょ、ちょっと待って!男に二言はねえ。持っていきな、ねえちゃん。その代わり、もしも恋が叶ったらみんなに宣伝してくれ。口コミは侮れねえからな。」

「あ、ありがとう!!もちろんみんなに宣伝するわ。」

 

私の恋が叶うことはないけれど、貰ってくれたらそれで叶ったのと同じ、でいいわよね。きっと陛下はお優しいから身に付けはしなくても貰ってくれるはず。

 

「ねえちゃん、がんばりなよ!」

 

店主から受け取った包みを大事に懐にしまって急いで家路に着いた。

 

 

 

 

 

その夜は青慎の大好物を作って、珍しく父さんも帰ってきたから、久しぶりに一家団欒を楽しんだ。

 

*************

続く

リンク先追加のお知らせ

放ったらかしなのにリンク先だけは増えていく我がブログ…
まぁ、いいよね、わたしだし←

ということで!

今日は某国で仲良くしていただいている江口様のブログを新しくリンクさせていただきました!


兎の山と狼の里(仮)
http://iyokaneguchi.blog.fc2.com/


江口さんは素敵な絵も描かれて、更に文章も書かれるマルチな方です(≧∇≦)

某国でのわたしのアイコンにさせていただいている絵なんて、本当にもうぴったりで、会ったことないのに凄いなーと見るたびに感心してしまいます(*^^*)

この度はリンクの許可を頂きありがとうございましたー\(^o^)/

リンク先追加のお知らせ

今回、新しくリンク先に追加させていただきました(*^^*)

皆様おなじみのお二人です。

わたしが狼陛下のストーカーになったきっかけでもあります♪( ´θ`)ノ



この世の春  あさ様

翡翠の煌めき、瑠璃の夢  瓔悠様




大好きな素敵な書き手様お二方です〜。

嬉しいです〜。


ありがとうございます!



本誌57話派生SS番外編 汀家の困惑

懲りずに番外編があったりして・・・


これでこのお話はおしまいです!!



************




あの日、僕は学問所からの帰り道、いつものように夕餉の買い物をして帰路に就いた。


いつもの、何気ない、本当に普通の一日が終わろうとしていた。


 


「あれ?父さん、どうしたの?」


家に着くと、いつもは僕よりも遅く、下手したらあまり家にはいない父が先に帰宅していた。


「う~ん。父さんにもわからないんだ。上司から早く家に帰るよう言われてな。なんでもいいから帰れ、と。道草もせず、とにかくまっすぐに帰るように言われたんだよ。」


僕も父さんも訳が分からなかったけど、こんな時間から父さんがいるのは珍しいし、たまにはのんびりするのもいいね、と笑いあったんだ。


でも帰宅を命令されるなんて、父さんまた何かやったんじゃないよね?姉さんまた怒るかな?なんて考えながら夕餉の準備をしようと台所に行って荷物を降ろしていると玄関の戸を叩く音・・・


「青慎~、お、お客様だ。お前もおいで。」


とお父さんの上ずった声が聞こえてきた。

取り立て屋だったらどうしようかな?もう~。

なんて思いながら出て行ったら、そこにいたのは取り立て屋なんてものでも、もちろん几鍔さんでもなくて。


「いらっしゃいませ。こんばんは。あの・・・」


「青慎、ここに来て座りなさい。」


「は、はい。」


とりあえず居間の食卓の椅子に来訪者と向かい合わせで座ってみる。


なんだか上等な衣を着た美丈夫が二人・・・一人は眉間に皺を寄せてこちらを睨みつけていて。

もう一人は優しい微笑みで見つめていた。

なんとも対照的な二人に困惑しつつ、どう見ても貴族であるような佇まいに恐縮してしまう。


一体何なんだろう?

貴族ということは、父さんじゃなくて、王宮勤めの姉さんに何かあったのかもしれない。


目つきの悪い人が口を開いた。


「本日はどうしても汀家の皆様そろってお話を聞いていただきたく、父上にも早くにご帰宅いただいた。申し遅れたが、私は政務室補佐官をしている柳方淵と申す。」


「そんなに怖い顔をしていては何事かと怖がられてしまうよ。まぁ、君の笑い顔なんて想像もできないけどね。」


もう一人の微笑を浮かべた美丈夫が言った。


「うるさい!!貴様と言い合うためにここへ来たのではない!!貴様も早く名を名乗れ!!!」


「それもそうだね。すみませんね。彼はいつもこうなのですよ。私は方淵と同じく、政務室補佐官の氾水月と申します。よろしくお願いしますね。」


ん~~~~~、柳?氾?・・・


柳・・・?氾・・・?


柳~~~~~~!!!氾~~~~~~!!!


「「え~~~~~~~~~!!!!!」」


僕と父の声は見事に重なりもの凄く大声になってしまっていたんじゃないかと思う


「__えと、あの大貴族の柳家と氾家のご子息ということでしょうか?」


いくら下町といえども大貴族の名前くらいはある程度知っていて当然だった。

逆に言えば、それくらい大貴族ということでもあるのだけど。


「うむ、そうである。いや、恐縮することはない。別に悪い知らせというわけではないのだ。」


「そうかなあ。ある意味家族の方々にとってはつらい決断になると思うけどな。」


「だから貴様は~~~~~」


二人で漫才でもするかのように話をしていてさっきからちっとも内容が伝わってこない。

柳家と氾家って仲が悪いって聞いた気がしたけど聞き間違いだったのかな?


柳方淵さまがゴホンと咳払いをすると、きっ、とこちらを見つめ背を正したので僕たち親子も急いで背を正した。


「口で言うよりも、まずはこちらの書簡に目を通していただきたい。」


父さんは恐る恐る受け取ると僕にも読めるように広げて見せた。


_____ん?


_______へ?


____________・・・・・・?


おそらく目がまあるく見開いたまま動かなくなった僕らに、二人の政務室補佐官は若干気の毒そうな、訝しげな視線を向けた。


「字が読めぬわけではあるまいな?どうかしたか?」


声をかけられやっと衝撃から戻ってきた父さんが震えながら言った。


「あ、あの。何かの冗談では?」


「冗談ではない!我が君が冗談で正妃様を決めると思われているのか!」


「いえ、あの、そういうわけではなくて。ですが、娘は庶民です。何故そのようなことに。」


「お父様。落ち着いてください。別に狼が取って食おうという話ではないのですし。二人の馴れ初めは存じ上げておりません。それを問うのも我々には許されることではありません。なので、何故?、には答えを持ち合わせておりません。」


「ね、姉さんは王宮で掃除婦をしていると聞いていたのですが・・・」


「そうなのですか?我々があの方にお会いした時は既に陛下唯一のお妃さまでらっしゃいましたが。そのあたりのお話は我々は聞かない方が命の心配をせずに済みそうなのでここでやめていただけると助かります。」


「水月!貴様はまたそんなことを。」


「あの方に睨まれたらそれだけで息もできなくなってしまうよ。知らない方がいいこともあるのだよ。」


「まあ、詮索する必要はない。陛下があのお妃が良いと。いや、あのお妃でなければ駄目なのだとおっしゃられていられるのだ。我々はその意に沿うことが陛下の御為!」


「私の安息の日々の為にもお妃さまがいてくださらないと。ここ最近の政務室にはもう近づきたくないよ。」


「お妃のせいにするな!!貴様は!!~~~~~今はよい!!!貴様のせいで時間がかかり役立たずと思われてはかなわんからな!!」


「兎に角!!その書簡の内容は理解したと思ってよいな?」


なんだか良くわからないけど、とりあえず頷かないといけないと思い、父さんと二人ぶんぶんと音を立てて上下に頭を振った。


「ふむ。その書簡は御署名にある通り、陛下の側近である李順殿からである。そして、それが本物であり無事に家族のもとに届いたことを柳家と氾家が確認をした。」


「つまり、ここに書かれてあることは嘘偽りなく本当だということでしょうか?」


「そうだ。あのお妃の弟君にしては聡いようだな。」


「方淵、さっきから君随分と失礼な物言いだと思うんだけど。」


「うるさい!!あの通常のお妃像とは真逆を行くお妃だ。そんなもんでいい。」


「まあ、今のうちだよね。ご正妃様になられたらいくらなんでも口は慎むべきだしね。」


「彼女がご正妃様になられようと何も変わらん!」


「全く君らしくて楽しみだよ、方淵。」


優しい微笑みを終始たたえた美丈夫はそう言うと、では我々はこの辺でお暇いたします。と騒がしく帰っていった。


 


____一体何だったんだろう。


いや、訪問の理由はわかってはいるんだけど。


 


嵐が去った後の自宅の居間で茫然と会話をすることもなくしばらく佇んでいた。


「夕鈴が・・・行ってしまう、のだね。」


父さんがどこを見るでもなくポツリと言った。



************



そんなこんなでお嫁さんの実家決定しました。

お二人の漫才のおかげですね!←違う



本誌57話派生SS 李順さん目線

懲りずに違う目線で書いてたりして・・・。


恥ずかしいから、これもとっととさらしてしまおう!




**************




「は~。陛下、これ以上官吏たちを使い物にならなくするのはやめてください。」


今朝から何度目になるかわからない進言をしてみる。


今日の陛下の機嫌はものすごく悪く、官吏たちが何人も倒れて早退していた。


 


_______なんなんですかね?昨夜夕鈴殿のところに行かれたようでしたが何かありましたかね?まったくあの小娘が!!!


 


「陛下、何か御座いましたか?」


「・・・」


「陛下?」


「・・・_____やった。」


「は?何とおっしゃいました?」


「・・・だから、夕鈴を_____にやった。」


「夕鈴殿がどうかされましたか?」


「だから!夕鈴を浩大にやったんだ!!!」


 


________聞き間違い・・・ではないようですね。


 


「どうしてその様な話になったのでしょうか?」


小娘~~~~~~~~!!!!!


「うるさい!!兎に角そういうことだ。」


陛下はそうおっしゃられるとこの話は終わりだとばかりに手を振った。


 


________さて、困りましたね。どうしたものでしょうか?


 


 



 


 


「りっじゅんさ~ん。」


全く緊張のかけらもありませんね。こっちは頭が痛いっていうのに能天気な。


「待っていましたよ、浩大。一体どういうことなんです?」


「う~ん。ダヨね?オレにもよくわかんないんだよね~。陛下がお妃ちゃんの部屋に来て、最初は楽しかったんだよね。お妃ちゃんを甘やかしたそうにあれやこれや言っててさぁ。でもほら、お妃ちゃんってびっくりするくらい立場をわきまえてるだろ?だから、どれもこれも却下されてさ。そしたら陛下何を思ったのか、お妃ちゃんに嫁ぎ先を融通してやるなんて言い出してさぁ。もう大笑いだよね?ここまでは・・・。」


「もったいぶらないで早く教えなさい。それが何故あなたに夕鈴殿をあげる話になったんですか?」


「簡単に言うと、お妃ちゃんが『だったら浩大がいい』って言ったんだよ。」


「は?本人が、ですか?」


「そう。まぁ、俺のことが好きらしいんで。」


全く、食えない笑顔ですね。そうは思ってないんでしょうに。


「それで?どうなさるんですか?」


「どうもこうも。陛下の命令には従いますよ。陛下が命令を覆さない限りは。アンタはどうすんの?」


「___ふぅ。仕方ないですね。腹を割って話しましょう。確かに、夕鈴殿は正妃になるだけのものは何も持ってらっしゃらない。それは変えようのない事実です。この国にとっては利とは成り得ない。_____ですが、認めたくはありませんが、陛下個人にとっては、無くしてしまえばおそらくもう二度と手にすることはできないであろうものをくれる人物であると言えます。」


「ふうん。アンタもそう思ってんの?意外だネ。」


「あなたは私を何だと思ってるんですか?これでも陛下の幸せを願っていないわけではありません!が、しかし、それとは別に、陛下は陛下であられる。国の行く末のことを抜きにしては考えられません。多くの妃を娶り世継ぎを作られることも責務であられる。それに、後ろ盾のない寵妃など絶好の的です。夕鈴殿がこのままここに残ったとしても彼女の身の安全は保障できません。御二方にとって此度のことは決して悪いことばかりではないのです。」


「でもさ、今日一日で官吏たち死にそうじゃん?これこの先ずっと続くの?みんな氾の坊ちゃんみたいに出仕拒否すんじゃね?」


「はぁ~。思い出させないでください。本当に頭が痛いことですよ。バイト妃などいつでも切れるはずでしたものを。全く、あの小娘ときたら!一国の行く末まで左右することになるとは思いませんでしたよ。都合のよい駒でしたものを。」


「なんだ、認めてんだ?」


「認めざるを得ないでしょう。既に陛下の心は彼女に囚われています。狼陛下ともあろうものが己の心すら気が付かないとは情けないものです。手放してしまえば心のバランスを失いかねないでしょう。彼女は陛下に心の拠り所を与えてしまいました。その責任は取ってもらわねばならないでしょうね、生涯をかけて。」


「はっ。そうこなくちゃな。じゃあオレはなんとか陛下を焚き付けてみるわ。」


「私は準備に取り掛からせていただきますよ。大変な仕事になりますからね。あなたが失敗したら許しませんよ。」


「優秀な隠密だぜ~。ま、お妃ちゃんからむと陛下おもしれ~からどうなるかわかんないケド任しとけって。」


「お願いしますよ。」


 


さあ、陛下に内密に、一大仕事になりますね。


腕が鳴りますよ。


ふふふ______。


 


 



 


 


「今日は私から皆に大切な話がある。


___妃を、夕鈴を正妃にする。それに伴い後宮は閉鎖。夕鈴以外を娶ることは決してない。


これは決定事項だ。翻すことは決してない。」


「御意。」


朝議に立席している大臣たちから一糸乱れぬ声。


「・・・異を唱える者はいないのか?」


狼陛下が冷たい微笑みで全員を見渡す。


「王宮の総意は夕鈴様を正妃に、ですでに纏まっております。」


拱手して食えない笑みをたたえた氾大臣が口を開いた。


「ふ、どういうことだ?」


「詳しいことは後程私から説明させていただきたく思います。」


「李順・・・」


「長くなります。お妃さまが政務室にいらっしゃらなくなってから大分経ちますが、その頃に遡ってのお話になろうかと思います。連絡を受け、既に準備は整えてあります。」


「準備?」


「はい。本日ご実家に行かれると。昨夜夜半連絡があり、急ぎ準備にかかりましてございます。」


「___ふっ。大義であった。」


「はっ。」


「朝議はこれにて散開。本日の政務は休みとする。私は妃とともに準備でき次第妃の実家に向かう。」


「言祝ぎ申し上げます。」


柳大臣が眉間に皺をよせたまま、それでも跪き拱手してお祝いを述べたのに続き、次々に大臣たちから祝いの言葉が紡がれていく。


ふぅ、やっとですね。あまりにも時間がたってしまったので苦労損になるかと危惧いたしましたよ。


覚悟してくださいね、夕鈴殿。


妃教育、いえ、正后教育はこれからですよ。


ええ、楽しみですね___。  




***********


楽しみすぎてはげるかもしれませんね( *´艸`)


星降る夜に

皆様こんばんは!

こちらは、白友である、みみこさまが描いた絵に、勝手にお話を書いてコメント欄に貼り付けて逃げたというものです←

今回、七夕が近いけれども書いている時間がない!と思い、そういえば素晴らしい絵があったなぁと覗きに行って、おねだりしてもらってきたものです。

みみこさま、わがままを聞きて入れてくださってほんとうにありがとうございました!

それでは、お話を…
絵の素晴らしさに何度見ても感動です!
わたしのおはなしはおまけです←

ブログの使い方がよくわからなくて、絵がとても大きいのですが、みみこさまの絵、麗しいのでいいですよ、ね?





************


「陛下!今流れ星が!」
「どれ?」

そう言うと陛下の手が私の頬を両手で包み込み瞳を覗き込んだ。

「どこ?」
「~~~~~っ!私を見ても見えません!」
「え~、夕鈴の瞳に映ってると思って。」
「そんなわけありません!!」
「我が花嫁の瞳の美しさに星も霞んだか。」
「~~~~~っく。」

がっしり掴まれていては目を逸らすことも俯くことも許されなくて。
包まれた頬が熱くて紅い瞳が私を捉える。
視線が恥ずかしくて瞳を閉じる。

____チュッ。


みみこさまから頂き物


SIDE1【臨時花嫁】



額に熱を感じ驚いて目を開けると揺れる紅い瞳とぶつかった。
余りにも近い距離に目を回していると、端正な顔が近づいてくる。
私は急いで両掌で陛下の口元を覆った。
この際掌に感じる柔らかい物の感触は気が付かないことにする。

「へ、陛下!だ、誰もいないですから!え、演技はいいです!ね?」

焦ってそう言うと、陛下は一瞬キョトンとした顔をして。
次の瞬間私の手首を捕まえ口元から離すと掌に口付けた。

「星が・・・。」
「え?」
「星が、見ているよ?」

妖艶な笑みを浮かべた狼に見つめられ、ガクンッと腰が抜けてしまう。

「っと!夕鈴大丈夫?」
「だ、大丈夫じゃありません!!」
「くっくっ、我が妃は実に愛らしい。」

慣れた手つきで支えられるのも腹立たしくて睨んでしまう。

「ああ、その表情も可愛らしいな。」
「くっ。」
「こうして抱き締めておいてあげるから、ゆっくり星を見ようね。」
「こ、これではゆっくり見れません!」
「え~、じゃあどうするの?夕鈴立てないでしょ?」
「っ!」

悔しくて睨んでみるもくすくす笑う声が闇夜に響いて。

「もう!もう!陛下の馬鹿~。」
「はい、はい、可愛いお嫁さん。暫くこうしてようね?」

陛下の勝ち誇ったような笑みが鮮やかに浮かんだ。


*********



SIDE2【本物夫婦】

額に柔かな熱を感じる。
驚く間もなく、瞼にもその温もりを落とされて。
私はその優しい温もりをただ受け止めていると、そのままゆっくり頬に辿りついて。
目を開けると熱を帯びた紅い瞳がそっと近づいてきた。
そのまままた瞳を閉じて、唇が重なる。
陛下は私の両頬を手で優しく包み込んだまま、角度を変え何度も口付けをくれる。
吐息が漏れだして、気が付くと性急に唇を求めあっていた。

「ん、や、んんっ。」
「ふ、夕鈴、もっと。」

唇を舐められ、侵入してきた舌が歯列を優しくなぞる。
もどかしくて、自分の舌で陛下の舌を迎えに行くと激しく絡めとられた。

「は、んっ、ふっ。」
「ん。はぁ。」

陛下の舌は私の咥内を好きに蹂躙し弱い所を探し出して刺激を繰り返す。

いつの間にか頬に添えられていた手は後頭部と腰に回され身体をこれでもかと密着させられていた。
息をすることも叶わず、次第に意識はそこにだけ集中していって。

気が付くと陛下の腕の中だった。

「あ、ごめん、ね?」

バツが悪そうな笑顔で此方を覗き込んでくる。

「夕鈴があんまり可愛いものだから、つい・・・。」
「・・・。」
「えっと、うん。このまま星を見ようよ、ね。」

ちょっと悔しいから口を尖らせて睨んでみる。

「ほら、くっついて見たら、同じように空が見えるよ。」

陛下は良いことを思いついたみたいに頬を染め、褒めろと言わんばかりだ。

「もう。陛下は私に甘いです。」
「愛しい妃限定だから許せ。」

どこまでも甘い陛下に身を任せ、腕の中で星を見上げた。


*********



おしまい!

みみこさま、絵をどうもありがとうございました!!

リンクのお知らせ

すんごく久しぶりに管理画面を開けました。
まんまるこです。

毎日焼けるような日差しに正に焼かれ、そろそろ焦げてきました。
暑い方が好きですが、日差しがきついのは勘弁ですね。

それはさておき←

今日は、大好きな人たちのブログとリンクさせていただいたので、一気にまとめてお知らせを←細かくやれ

Everlasting love  花愛さま
藤華の舞  ふじ兎さま
未来予想図  yawayawaほっぺさま
恋色アクアリウム さり奈さま
時盗人  novelloさま
まるねこの小箱  まるねこさま
桂花のかおり けいさま

快くリンクの許可をくださりありがとうございます!
ここを訪れる方々にはもう当たり前のブログかと思いますが、皆様共々宜しくお願いします。

ありがとうございました!