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プロフィール

まんまるこ

Author:まんまるこ
南国に住む2児の母です。
趣味は下手の横好きなソーイングとお菓子作り。
暑いのは得意だけれど寒いと途端に思考停止して固まります。

よろしくお願いします!

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(SS)除夜の鐘に想う

こんばんは!

まんまるこです!!

実は去年、某国で年末SSを書いてまして。

 

せっかくなので持ってきました!

せっかくなので路地裏付きのロングバージョンです!!←オイッ

 

今年はブログをはじめて、上京してまでの初めてのオフ会参加! 

とても楽しい一年でした。

まぁ、辛いこともありましたが、いつも仲良くしてくれる方々に沢山お話を聞いてもらって、励ましてもらって、本当に友達って大切!って思いました!

 

心当たりのあるそこの皆さま!

今後とも、まんまるこ、書けよ、おいっ!っと叱咤激励をよろしくお願いします。

そして、交流はないけれども、こちらを訪れてくださる方々!

こんな気まぐれブログに来てくれて、本当にありがとうございます!!

来年はもう少し頑張りたいと思います!!

皆様の足跡にとても元気づけられています(●^o^●)

 

では、お話の方・・・

いってらっしゃいませ!

 

 

【本誌沿い】

【本物夫婦】

【最後に路地裏への扉を設置】←R18です若いお嬢様は回れ右ですわよ。

 

 

 

****************** 

 

 

 

 

 

 

ふと目が覚めた____。

 

常夜灯のおかげでどうにか自室にいることがわかる。

シンと冷えた空気に、夢で見た光景がよみがえる。

隣にあったはずの温もりが冷えて、さぁっと血の気が引く音がする。

鼓動が早くなって、息が苦しくなって、目がチカチカしてきた。

苦しい、辛い、寂しい・・・。

負の感情が全てを支配して、闇に飲み込まれる。

 

____ごーん・・・。

 

少し遠くから響いてきた鐘の音にぎゅうっとなった心臓が命をふきかえした。

 

そうだった____。

 

陛下は除夜の鐘の最後の一打を打つ為に1人向かわれたことを思い出す。

 

「ごめんね。これは正妃以外の妃とは出来なくて・・・。」

 

そう言って本当に申し訳なさそうに何度も謝る陛下の背を押したのは数刻前。

本物の妃になって、陛下は以前よりも色々な事を隠さずに教えてくれていると思う。

その一つがどれだけあるのか分からないほど沢山の行事だ。

偽物だった時は殆ど声を掛けられなかったのだというくらいに多い。

その中でも、私が陛下と共に行えるのはほんの一握りで、殆どは御正妃様の仕事らしかった。

正妃不在の場合はその時の王が指名する妃でも良い、とされる簡素な物だけだ。

本物の夫婦になって寝食を共にするようになってから、陛下は包み隠さずに一日の予定を教えてくれる。

変な誤解をされて、家出されたら今度は生きていられないと思うから、なんて良く分からないことを言いながら。

でも、正妃でなければ参加できない行事の時は、今日の様に何度も謝って来るから、正直困ってしまうのだ。

 

寂しいことは寂しい。

いつか来るだろう御正妃様の影に背筋がゾクっとすることも一度や二度じゃない。

けれども、何より気になるのは陛下に謝らせてしまっている自分自身だ。

正妃になれないのは私の問題であって陛下のせいじゃない。

私にはまだまだ足りないことが沢山あることもわかっている。

納得して、覚悟してここに居るのに、優しあの人はいつもごめんねって言ってくれる。

嬉しいけど、甘えたいけど、私は陛下の味方でいたいのであって、陛下の与えてくれる物に浸かってぼけーっと過ごしたいわけではないのだ。

 

昔の記憶に囚われてる場合じゃないわ!

 

そう思い直し、寝台の上で握り拳を振り上げた時だった____。

 

「夕鈴、まだ起きていたの?」

 

優しい声が暗闇の向こうから降って来た。

 

「っ!へ、陛下!お帰りなさいませ!」

「うん、ただいま!どうしたの?先に寝ててって言ったのに。」

「いえ、今さっき起きちゃったんです。偶然陛下をお迎え出来て良かった。」

 

そう言って寝台から下りようとしたら、陛下が大股で歩いて来て、ギュッと強く抱きしめられた。

抱き締めてきた腕から冷えた空気が伝わって来て、外が相当寒かったことに気が付く。

 

「陛下、すんごく冷たいですよ?お茶でも入れましょうか?」

 

そう言ったのに、陛下は私を抱きしめたまま黙って首を左右に振るだけで。

だから、私も少しでも温まるといいと思って背中に手を回す。

 

「陛下、お疲れ様でした。除夜の鐘の音、ここまで聞こえましたよ。心が澄んでいくような、不思議な感覚ですね。」

「ああ、そうだな。だが、煩悩とはそう簡単に無くなる物ではない。」

「・・・そりゃまぁ、そうかもしれませんけど。108個は流石に無いでしょう?」

「・・・。」

「・・・え?陛下?」

「・・・ある。」

「ええ!陛下108個もあるんですか?」

「あるにはある。」

「ええ~。凄いですね。もしお疲れじゃなければ教えてください。」

「夕鈴眠いんじゃないの?」

「いいえ!さっきまで寝てましたから。変な時間に起きてしまって逆に目が冴えてしまいましたよ。」

「そう?じゃあ話すけど。夕鈴煩悩をなくすために協力してくれる?」

「私が、ですか?」

「うん!夕鈴じゃないと恥ずかしくて無理だよ。駄目?」

 

寝起きに子犬はやめて欲しい。

さっきまで暗い感情に支配されていたから尚更心の柔らかい場所に踏み込まれてしまう。

 

「駄目じゃありません!協力します。」

「そう?じゃあ言うね。」

 

そう言って笑った陛下の瞳はいつもよりも紅く光り輝いていたのだが、抱きしめられていた夕鈴は気が付かなかった。

それよりも、言うために寝台に向かい合わせに座った陛下の熱が離れたことの方に気を取られていた。

 

 

 

 

 

 

 

「では、どうぞ?」

 

寝台の上で背筋を伸ばし真剣な眼差しで促す夕鈴を黎翔は内心かかったとほくそ笑んでいた。

 

「じゃあ、まず一つ目ね。たまには夕鈴から抱きしめられたい。」

「え?ええ?そ、それは・・・」

「駄目?」

 

夕鈴が弱いと知っている子犬を強調してお強請りしてみる。

あと107個もあるんだから、最初が肝心だ。

目線を右往左往させて本当に可愛いし、今すぐに齧りつきたいが、ここは我慢だ。

 

「だ、駄目じゃない・・・です。」

 

そう言うとすっと近づいて来てぎゅうっと抱き付いてきた。

ああ、可愛い。温かい。

夕鈴の匂いに理性がグラつくがやっぱり我慢だ。

 

「ふふ。ありがとう。嬉しいな。じゃあ二つ目ね。二つ目は、たまには夕鈴におでこにちゅうされたいな。」

「へ?また私ですか?な、な、な、なんで?」

「なんで?って僕の煩悩なんて夕鈴のこと以外ないに決まってるでしょう?君の事ならば際限があるわけもない。」

「いや、あの、意味が良く・・・?」

「で、してくれる?」

「え?でも、これは、その。」

「約束、したよね?夕鈴約束破るの?」

 

殊更『約束』を強調する。

実直がモットーの彼女ならばここまで言われたらできないとは言わないと分かっていて。

 

「や、や、や、やりますよ!やりますとも!!やり遂げて見せます!!」

 

鼻息荒くそう宣言する様はちっとも艶っぽくなんかないけど、それもまた可愛いんだから仕方ない。

大体艶めかしくするのは僕の仕事で、僕の前だけでいい。

理性が飛んでとろんとした瞳で僕を見つめる夕鈴を想像しただけである場所がドクンと熱を持つ。

 

ちゅっ____。

 

そんなことを考えている間に夕鈴が近づいて来て、口付けられた。

ああ、そんなに真っ赤に染まって、全身が桃色で僕を誘っていることを知らない。

 

「次行きましょう!次!!」

「三つめは、夕鈴に瞼に口付けられたい。」

「いいですよ!口付けならどんな場所でもどんとこいです!」

 

胸をドンと叩いて肩に手をのせて近付いてくるから瞳を閉じて待ち受ける。

瞼の裏には夕鈴の痴態が色鮮やかに浮かび上がって辛い。

彼女は今言った言葉が後でどうなるか分かってないのだろう。

伝えた時の驚きの表情と、それをして貰った時の快感を想像するとイキそうだ。

 

「四つ目は鼻で、五つ目は頬ね?」

「はい!」

 

ちゅっ、ちゅっ____。

 

慣れて来たのか連続で頼んでもすんなりしてくれた。

こうして麻痺させているのに気が付かない所が本当に可愛くて仕方ない。

でも危なっかしくてほっておけない。

 

「六つ目は・・・口。」

「く、く、く、・・・。はい・・・。」

 

桃色だった肌を更に紅くして、震えながら近づいてくる可愛らしい唇に、噛みつきたいのを堪えて待った。

 

 

 

 

**************** 

 

 

続きはこちら! → 

 

 

 

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(リレーSS)ドS陛下と野兎妃④

皆さま!お久しぶりです!!

放置っぷりも大概ですが、ご訪問感謝いたします。

年度末に向けて我が業界は鬼の忙しさに突入しております。

ついでにメインの業務が決算にかかわるので、正直やばいなぁと思いつつ←思うだけ

 

察しの良い貴方ならばお気づきでしょう!

そう!今日は殿が胃腸炎で仕事を休みました~(●^o^●)←オイッ

ということで、やっと書いたので、アップして寝ます!

 

リレーなのに待たせてしまってすみません!

しかも長い・・・

寝る前の睡眠導入にいかがですか?←チガウ

 

さり奈さん宅の③はこちら!! →  

 

では、行ってらっしゃいませ!

 

【原作寄り】
【陛下がドS】
【捏造いっぱい】
【いずれ甘くなる予定】 

 

 

 

 

その日も王宮政務室はいつも通り、国中から集まってくる陳情や報告の書簡が行き交い、狼陛下の指示のもと、官吏が冷や汗をかきながらも必死にこなしていた。

皆が陛下の指示に瞬時に反応できるよう、常に注意を払う。

陛下の様子を常に伺いながら動くことを要求される官吏達が、その日はしかし、なるべく陛下を気にしないようにしていた。

しかしその実はまた違って、注目をしていないふりをするのに躍起になっていた、というところが真実である。

いつも世話をさせるため近くに侍らせている陛下付きの女官に至っては、この珍事に壁際に立ち尽くし、顔を歪ませたまま身体を震わせていた。

中には啜り泣く声も聞こえる。

 

同じようで同じではない日常。

それは――――

 

「妃よ。」

 

冷たい狼の瞳に色気を漂わせ、熱く見つめるその先に、狼陛下唯一の寵妃(仮)夕鈴がいた。

 

「~~~な、なんでございましょうか、陛下。」

 

耳まで真っ赤に染め上げ、2つに結い上げた髪を震わせながら応える妃はまるで借りてきた兎のようで、知らぬふりを貫いているはずの官吏達の頬も染まる。

 

「折角来てくれたのに、こんな場所ですまぬな。」

「こ、こ、こんな場所とは、皆様が御国のために頑張ってくださっている場所、ということでしょうか?」

 

扇子で顔を隠し、必死に平静を装う夕鈴は黎翔の嗜虐心を擽る。

 

――――ああ、可愛いなぁ。

 

腰が疼くのを我慢して、黎翔はそっと夕鈴の耳元で囁いた。

 

「いや、私の膝の上、という意味だ。」

 

言葉とともに吐息まで吹きかけられて、夕鈴の身体は黎翔の膝の上でピクッと跳ねた。

それでいてぎゅうっと黎翔の胸元を握りしめる手に力を入れしがみつく夕鈴に黎翔の口角が知らず上がる。

 

「それでは落ちてしまう。可愛らしい君に例え一筋だとしても傷が付くのは耐えられない。」

 

そう言うと黎翔はとても美しい笑みを浮かべ夕鈴の腰をぎゅうっと抱き寄せた。

 

「ひゃわわっ。」

 

突然の抱擁に驚き妃らしからぬ声を上げた夕鈴の唇に、黎翔の指がそっと触れた。

 

「君のその愛らしい声は、閨で、私のみに聞かせて欲しい。」

 

『閨で』の部分を殊更強調するようにゆっくりと言葉を紡いだ黎翔は、妃に溺れていると見せつけるに十分な鮮やかな笑みを浮かべた。

只でさえ女性に甘い黎翔ではあったが、妃限定に紡がれる甘言とその熱のこもった視線に、側で控える女官たちは足元から崩れ落ち、官吏たちは前のめりになる。

 

「ああ、お前たち、ずっと立っていては辛かろう。暫し休憩とする。」

 

女官たちの腰が砕けているのに気が付かないかのように労いの言葉を掛けた黎翔に、悔しさをにじませた者たちが、それでも食い下がろうと必死に立ち上がり拱手して進上した。

 

「では、御茶を準備させて――――。」

「それには及ばぬ。私は今後、これの淹れたもののみを口にしたい。」

 

そういうと、黎翔は抱き寄せていた夕鈴が震えているのを確認しながら笑みを浮かべ旋毛に口付けた。

 

「で、ですが、お妃様はお茶など――――。」

「我が妃の淹れる茶は甘露のようだ。妃の全てが甘く私を誘惑する。これ以上私を夢中にさせてどうしようというのか。なぁ、夕鈴。」

 

黎翔は自分の胸に埋もれていた夕鈴の顔を覗き込むと、顎に指をやり上を向かせた。

酷薄な笑みに熱のこもった視線を間近で受け止めた夕鈴は頭から煙を出すと、全身から力を抜いた。

 

「くっくっく。何も言わずとも、君の望みは知っている。私は最愛の妻の望みを叶えられない夫ではない。」

 

黎翔は夕鈴の輝く髪を愛おし気に指で何度も梳くと、一房持ち上げ、そっと唇を寄せた。

 

「お前たちは下がって良い。呼ぶまで戻ってこないように。」

 

常ならば労いの言葉等少しは掛ける黎翔が、妃の髪を弄ぶのに夢中で一瞥すらしないことに女官たちは苛立ちざわめいた。

 

「・・・聞こえなかったか?私は妃と二人きりで過ごしたいのだが?」

 

出自不明の妃をいきなり娶ってからも、黎翔の女官たちへの甘い対応に変化はなかったことに安堵していた女官たちも、今までにない対応に青ざめ、唇を噛み締めながら退室していった。

 

 

 

 

 

「へ、陛下。あんな風に言うことはなかったのではないですか?」

 

二人きりになったことを確認して夕鈴が黎翔に詰め寄る。

 

「ん?じゃあ何か?君はあのままずっと皆の前で私に甘い言葉を囁かれ、口付けられ、熱い視線を送られたかった、と。そう言うのか?」

「そ、そ、そ、それは、その・・・も、無理。」

 

そう言って未だ黎翔の膝の上で青ざめながら耳を真っ赤に染めて俯く夕鈴は美味しそうだ。

 

「私は別に構わないのだが・・・」

 

笑みを浮かべ顔を近づけると、夕鈴は両手を前に出して黎翔の唇から自分を守った。

 

はずだった――――。

 

目を閉じたまま顔を真っ赤にして黎翔を食い止めようとする夕鈴のその姿こそが黎翔の心を打ちぬいていることに気が付かないまま。

 

――――ああ、堪らないな。

 

黎翔はニヤッと笑うと、夕鈴の手首を捕まえてペロッとを舐め上げた。

 

「のわぁ!!」

 

驚いたはずみでバランスを崩した夕鈴が黎翔から落っこちたのを庇うように黎翔も一緒に床に転がる。

 

「くっくっく。君は面白いな。」

「な、な、何がですか!!」

「そんなに私に虐められたいのか?」

「そんなわけないでしょう!!何がどうしたらそうなるんですか?」

 

今まで見たことのない鬼の形相で怒る夕鈴もなんとも魅力的に見えて、意地悪な顔の下でほくそ笑む。

 

「落っこちたついでに茶を淹れてくれ。」

「え?あれ本気だったんですか?」

「ん?ああ。無論だ。」

「でも私・・・」

「李順から習ったのだろう?聞いている。」

「それは、そうですが・・・。まだ及第点しかもらっていないので、陛下にお淹れするのは・・・。」

 

戸惑う夕鈴に黎翔は目線をいったん逸らしたあと、静かに話し出した。

 

「・・・李順からは何も聞いてない?」

「へ?何をですか?」

「女官の淹れる茶について。」

「・・・たまに?毒ではないけれど何か入ってることがあって政務に支障をきたすのでやめて欲しい、とはお聞きいたしましたが???」

「たまに、ね・・・」

 

何故か急に不穏な空気を醸し出した黎翔に夕鈴は不安が募る。

黎翔はいつも二人の時は夕鈴を翻弄し、わざと怒らせるようなことをする、いわゆる悪ガキのようなものだ。

それが、今目の前にいる黎翔は心底弱り切ったように、何か大切なことを伝えるか逡巡しているように感じる。

いつもはドSで俺様な王様が、何故か困っているように感じて、夕鈴はつい言ってしまった。

 

「わ、私で良ければ、お聞かせください!!」

「・・・」

「お給金の分はしっかり働きますとも!!」

「くっ、くっ、くっ。夕鈴は素直だよね。君のそういうところにホッとするんだよね。」

 

そう言って笑った黎翔は、心からの笑みに見えて、夕鈴も初めて力を抜いて自然な笑みを浮かべた。

 

「じゃあ、言うけど・・・実は、女官たちが淹れるお茶は大抵媚薬が混入している。」

「・・・へ?び、やく?」

「ああ。」

「びやく?」

「媚薬、だ。」

「え?薬?」

「・・・媚薬、知らない?」

「あんまり・・・その、少しだけ下町で聞いたような。でも、その、それって・・・」

 

ぼふんっ!ぼふんっ!!ぼふんっ!!!

 

「ああ、そう、考えているので概ね正解だと思う。」

 

真っ赤に茹で上がった夕鈴を面白そうに見つめた黎翔が笑いながら言う。

 

「そ、そんな、そんなの笑っていることじゃ!!」

「まぁ、幼いころから慣らしているから対して効果はないんだが、たまに、強い催淫作用があることがあってね。困ってるんだ。でも策のためには飲まないわけにもいかないし・・・」

 

心底困ったように苦笑いする黎翔に夕鈴の胸はきゅうっと苦しくなる。

 

確かに夕鈴には意地悪ばかりする困った王様だけど、知ってしまった。

朝は主婦同然に早起きする夕鈴よりも更に早起きして王宮へ向かう日も多いこと。

共に夕餉を取った日でも戻って政務に励んでいることも。

何日も後宮に戻ってこれない日が続くことも。

 

少なくとも、陛下は王様を頑張っている――――。

 

そう思ったら、涙が溢れてきた。

確かに困った人だけど、国のために誰よりも働いて頑張っている。

女ったらしなのはどうかと思うが、それも情報を得るためだと言われれば仕方がないとも思う。

目の前にいるこの人は、王様から逃げ出すことなく、立派に勤め上げているのに。

 

気が付くと夕鈴はぐっと握りこぶしを突き上げていた。

 

「え?」

 

泣いたかと思うと急に勇ましくなった夕鈴に黎翔は珍しく動揺をみせ、床に座ったまま後ずさった。

 

「任せてください!陛下は、そりゃあ困った人だし女ったらしだけど、立派な王様なのに!!私が陛下を守りますから!!」

「へ?」

「陛下の御茶は全て私が淹れます!」

「本当に?」

「ええ!もちろんです!!」

「もしも他の御茶を飲んで媚薬を盛られたら?」

「そ、それは、そんなことは起こり得ませんが、そ、その時は私が責任をもって!最速で陛下を元に戻します!!」

「で、でもそれは・・・」

「戻します!!」

「・・・は、はい。よ、よろしく、ね?」

 

鼻息荒く宣言する夕鈴に気圧され、黎翔は頷くことしかできなかった。

 

様に夕鈴には見えた――――。

 

夕鈴はやっぱりうっかりさんだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

**************

 

 

狼さんが狙った獲物を逃がすわけないものね?( *´艸`)

 

 

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