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(追記あり必見!!)シークの花嫁 ④

とんでもお久しぶりです!

皆さま、どう過ごされてますでしょうか?

なんだか南のこちらより、北の方が遥かに暑いようですが、お元気でしょうか?

こちらは毎日涼しくて、ちょっとびっくりするくらいです。

例年、梅雨時期でもこんなに涼しくはないのですが・・・

地球がおかしくなっているなぁ、なんて思ったりして。


リアでは仕事が激忙しく、妄想する脳みそが行方不明になっていましたが。


S(サド)さんが囁くんです。

素敵な絵をもらったからキスの日にお話あげるの!って。


N(ナチュラル)さんが被せてくるんです。

なら、私もそれに乗っかろうかな?って。


二人が呟くんです。

シーク、次、キスくらいするだろ?ね?って。


М(マゾ)の私に断れるわけないじゃないですか?←


ということで、大好きな二人に誘われて、久しぶりの更新です。


フリーダム☆ゲリラ企画!!


『キスの日』って美味しいの?そりゃあ美味しいに決まってるでしょ!!


です!!←違うから


SとNのお二方は言わずもがな、あの方々です。

あちらのお話はきっと素敵だと思うの!

私も楽しみです(●´ω`●)


では、久しぶりにシークパロ、更新します!

いってらっしゃいませ!!



*************



何が起こったのか理解する間もなく、シークがユーリの身体の上に覆いかぶさった。

ユーリは余りもの恐怖に声も出ずカタカタ震えることしかできずにいた。

月明りのみの薄暗い部屋で、シークの瞳だけが紅く光を帯びユーリを鋭く睨みつけている。

その瞳は底の見えない冷たさで泣きたくなるくらいに怖い。

そういえば、戦場に立っていたころはシークウルフという異名が付いていたという記事をどこかで読んだことを思い出し、全くその通りだわと恐怖を通り越した先で考える。

確かに恐怖を感じているのに、何故か暗闇に浮かぶ瞳に見入ってしまいたい衝動に駆られる自分はおかしいのかもしれない。

 

目を逸らすこともできず、ユーリはそのまま逃げることも忘れ、暫く見つめ合っていた。

 

《・・・君は。》

《・・・》

《君は、白陽の民か?》

《・・・》

《答えよ。》

『こんな状態で睨まれて、脅かされて。そんな人に答える筋合いはないわ。』

 

脚が震えるほどの恐怖が身体を支配するが簡単に認めるわけにもいかない。

棒色の瞳に涙を堪えながらもプライドに支えられ睨み返す。

 

《・・・すまない。》

『・・・』

《まずは、私から話そう。だから、君も安心できたなら、正直に話をして欲しい。》

 

先程までの威圧的なシークは消え、すっかり弱り切った犬のように困った顔をするとユーリの上から起き上がり、寝台に腰かけユーリに向かって弱弱しく微笑んだ。

紅い瞳の輝きはそのままに優しさを帯びた瞳にユーリの頬が瞬時に染まる。

不遜な態度を取られ続けていたため印象は最悪だったが、普通にしていれば明らかに美丈夫に入るのはユーリにもわかっている。

 

そんな人にこんな風に優しく微笑まれらば誰だってポウッとなるものよ。

 

ユーリは自分の頬が熱くなるのをごまかすかのようにふいっと横を向いて起き上がろうとすると影が差した。

ん?と思った瞬間、シークがユーリの手を引き、腰にもう片方の手を当てて抱き起こされた。

 

『きゃうっ!』

《・・・》

『な、な、な、何を!きゅ、急に触らないでください!驚くから!!』

《・・・》

 

変な声が出て恥ずかしくなったユーリは目をつぶって口を引き結んだ。

 

《・・・ぷっ。》

 

え?

 

ユーリが恐る恐る目を開くと。

 

《くっ、くっ、くっ、あはっ、ははっ。》

 

もう我慢できないといった態で吹き出すように笑うシークがいた。

 

『ちょ、ちょっと!失礼じゃないですか?』

《だって、ちょ、あはは、おかしな声で、くっ、ふふ、おかしな顔・・・あははは。》

《おかしな顔って失礼ね!!》

 

居たたまれなくなってユーリが叫ぶと、シークは途端に笑うのを止め真摯な表情を浮かべユーリを見つめた。

 

《君は、やはり白陽の民なのだな。》

《・・・》

 

ユーリは答える代わりにコクンっと頷いた。

 

《脅すようなことをしてすまない。》

《・・・いいえ。大丈夫です。》

《何故?先程まであんなに警戒をしていたのに。》

《貴女は悪者ではないと思います。ほんの少ししかお話していませんが、考えたら、さっきホーエンとかいう人からも助けていただきましたし。きっと、大丈夫だと、私の第六感が言ってるので。》

 

真っすぐにシークを見つめて笑うユーリにシークは目を瞠った。

 

晩餐会の間、彼女を睨みつけていたのは、間諜ではないかと疑ったからだ。

流暢なフランス語で会話をし、まるでフランス人かのように振る舞ってはいるが、言葉の節々に懐かしい訛りがある気がして。

その上白い肌は肌理が細かく、遠い記憶を呼び起こし囚われそうになった。

睨みつけるように見つめていると、ユーリは気が付かないとばかりにコウジュと一生懸命話していたが、引き攣った頬、青ざめた顔、カタカタと震える肩がまるで捕食されるのを待つ兎のように見え、身体が熱を帯びた。

 

灯を受け金色に輝く髪を指に絡ませたい。

柔らかそうな頬に指を滑らせたい。

棒色に輝く大きな瞳に映し出されたい。

 

疑り睨みつけていたはずの自分は、だんだんと邪な考えばかり浮かびだしていた。

 

あの細い肩に口付け歯を立てたらどんな味がするのだろう?

薄絹の・・・その向こうが知りたい。

 

終いにはそんな衝動が沸き起こり、どんどん顔が険しくなる。

それに合わせ、周りが震えあがり、ユーリの表情も歪んでいくのが分かっていたが、そこで気を抜けば自制するのが難しいと分かるほどに身体は熱を孕んでいた。

 

その瞳に僕を映し出してほしい・・・

その笑顔を僕に向けて欲しい・・・

その声で僕の本当の名を紡いでほしい・・・

 

叶わないと分かっていながらも遣り切れない思いをぬぐうこともできず、気分転換に夜風に当たろうと出た先で懐かしい言葉が聞こえた気がして振り向くと、ユーリとホーエンの言い争う声が耳に届いた。

一瞬にして心が抗えないほどの勢いを持った炎に覆い尽くされるのがわかった。

 

間諜だろうと何だろうと手に入れてしまおう。

 

そう思って寝台に縫い付けたつもりだったのに。

弱弱しいと思っていた兎は存外気が強かった。

震えながらも睨み返すその気概。

緊張の解けた空気で交わす会話。

そして、あまりにも純粋で真っすぐなその瞳。

 

簡単に手折っていい娘ではない・・・。

けれど、彼女の温もりが欲しい・・・。

 

すっかり警戒を解いたレイは満面の笑みを浮かべるとユーリを腕の中に囲うと寝台に倒れこんだ。

 

《な、なにを!!》

《しぃっ!ここで白陽語を大声で話すわけにいかないから。》

《でもなんでこんな!》

《・・・ごめんね。ほら、僕、シークだから。シークの寝室に女人がいるってことはさ、ほら、ね?》

 

言い辛そうに苦笑いしたレイにユーリも緊張を解いて身を預け小声で囁いた。

 

《わ、わ、わかりました。でも、コウジュ様との婚礼が近いのに、私なんかが侍って大丈夫なのですか?》

《ああ、この国のシークは現在も多妻制なのに変わりない。好色な王も多かったせいか、異国からの妃も多くいた。過去には100人近い妻のいた王もいるくらいなんだ。》

《・・・そう、ですか。》

 

ユーリの顔が雲り、ぎゅうっと拳を握りしめた。

 

《この国は、戦ばかりで領地を拡大してきた。だから、まるで勲章かの様に征服した国の姫や妃を奪っては妻にしていたんだ。》

《・・・》

《・・・》

 

そこまで言うとレイは黙り込み、ユーリも蒼白な顔で黙り込んだ。

 

ふぅー。

 

大きなため息が聞こえるとともに、シークの腕がユーリに絡みつき、ギュウっと抱きしめられる。

 

《僕の・・・僕の母もその一人だ。》

 

頭上から降ってきた言葉に逃げ出そうと身体を捩ったユーリがピタリと動きを止めた。

 

《シークのお母さまが?》

《ああ。僕の母は白陽国王家の末裔だったらしい。戦乱の中身を隠し、生き延びていたのだが、外国の宴の場で踊り子として舞台に上がった際に王に見初められたそうだ。そのまま監禁するようにこの国に連れてこられて。身分がばれることはなかったそうだけどそのままハーレムに・・・そして僕を身籠った。》

《・・・》

《母は生前言っていたよ。この言葉を忘れないで欲しいって。僕で、次に伝える人がいなくなっても気にしなくていいって。貴方はハクディの王子として歩みなさいって。そう言った母がどんな思いでいたのか、僕にはもう知ることもできない。》

 

まるで他人事の様にサラッと話しているような声色。

けれど、ユーリを抱きしめる腕は微かに震え、何度もユーリの髪を指で梳く。

そんなレイの様子にユーリも心がギュウっと鷲掴みされたような気持ちになる。

 

この人は、これまでどれだけ我慢して、気が付かないフリをしてきたんだろう。

この国の王の子として生を受けたにもかかわらず、母から秘密を知らされた時、どんな衝撃がこの人を襲ったのか。

どう振る舞って生きていけばいいのか、計り知れないほど悩んだに違いない。

それなのに、そんなことは微塵も感じさせないほど飄々と、ただある事実だと言わんばかりに話す。

いや、そうすることで、感情を押し殺すことで、自分を守ってきたのかもしれない。

 

私と・・・お、なじ?

 

気が付くとユーリはレイをジィっと覗き込み、レイはそんなユーリを見つめていた。

 

どちらからともなく、顔が近づき・・・

二人は触れるようなキスをした。

見つめあったまま、角度を変え二度三度と唇を重ねる。

レイと距離を置くように身体の前でユーリ自身を抱きしめていた腕がレイの首に回されたのを合図に、二人は足りなかったものを満たすかの如く、何度も何度も貪るように唇を重ねた。

 

 

シーク✖️ユーリ  

☆江口様より頂き物☆ 

 

**********

 

 

 

つづく 


『兎の山と狼の里』管理人 江口様より

 

素敵な絵をいただいてしまいました!!(●´ω`●)

 

あんまりにも素敵なのでみんなで愛でましょう!!

 

ありがとうございます!江口さん(#^^#) 

 

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