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プロフィール

まんまるこ

Author:まんまるこ
南国に住む2児の母です。
趣味は下手の横好きなソーイングとお菓子作り。
暑いのは得意だけれど寒いと途端に思考停止して固まります。

よろしくお願いします!

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mokuren 5

 

 

間に合ったかな?

遅刻魔のまんまるこです!

では御託は横に置いて!

いってらっしゃいませ!←あせってる

 

 

 

****************

 

 

 

数年後―――

 

ユーリンは黎翔と出会った街を彷徨っていた。

初めて行き倒れになっているのを見つけたのも、そして再会したのも同じ街だったことから、何かしらの理由があってここに来るのだろうと思ったのだ。

春先からやってきて、ヒトの世界に花を届けながら、脳裏には常に彼を思い描いていた。

凍えるような空気を纏いながらも柔らかい春のような優しい瞳を垣間見せたあの人を。

 

ユーリンはこの数年の間、何度も脳裏に描いては顔を紅く染め、頭を大きく振っては春の準備に勤しんだ。

次の春のために花の種を育てることが春の妖精であるユーリンの仕事だ。

その種類は各妖精に任されており、年によっては同じ花ばかり重なり、その花だけが妙に満開になることもあった。

ユーリンは、あの寒い別れの後、優しく包み込んでくれた桃色の花を思い、心を込めてたくさん作った。

他の花の種をと思うものの、どうしたって種の元はその花の種にしか育たなかった。

周りの仲間たちからは馬鹿にされたし、自分だっていくら何でも偏りすぎていて他の可愛い花たちに失礼だと思うものの、どうやったって実を結ばない。

一年が経つ頃にはすっかり開き直って、桃色の花の種ばかりをいつもよりもずっと心を込めて作った。

例え二度と会えなくても、あの花に慰めてもらったのは事実で、そしてユーリンはその原因となった記憶が褪せていくのが嫌だった。

何故かあの瞳の奥に何かを感じたことを忘れたくなかった。

 

そしてユーリンはこの数年、時間の許す限り、何度も出会った場所を行ったり来たりしていた。

けれど春の精であるユーリンにはタイムリミットがある。

夏の暑さにはめっぽう弱いため、その前に妖精の世界に帰らねば焼け焦げて死んでしまうのだ。

最初は何か身体に不調をきたしていないか、怪我などはさせはしなかったかを確認したい一心で探し回っていたのが、ここ最近ではただ、理由などどうでもいいからもう一度、一目見たい、に変化していた。

ここまで来たら意地なのかなんなのか本人ですらよくわからなくなっていた。

けれど、たった2回しか会っていない黎翔の面影が心から消え去ることは決してなかった。

何をしていてもいつも頭の片隅には彼が存在していた。

流石にこの状態が長く続いてくると、自分自身でも自分がおかしくなったんじゃないかと思うこともあったが、そういう時は張じぃが話を聞いてくれた。

 

でも・・・

 

「もう、諦めた方がいいのかな?魔王だもの。きっと私が探していることなんてお見通しなはず・・・。」

 

何年も探し続けて、とうとうユーリンはボソッと弱音を吐いた。

 

「煮詰まってるネ~、ベルちゃん!」

 

能天気な声が背後から掛かった。

この能天気な声には記憶がある。

ユーリンはまさか、と疑いながら振り返った。

 

「・・・ダイ?」

「そう!魔王サマの優秀な僕、ダイ様だよーん。」

 

相変わらず初対面の時と同じように能天気で揶揄うような口調にユーリンは口をへの字にして睨みつけた。

 

「なにがダイ様よ!」

「探してるでショ?」

「はぁ?あんたなんて探してないわよ!」

「わーってるって。魔王サマ、だよ。オレッちが協力してやろうか?」

 

大きく瞳を開いたユーリンを見て、ダイはニカッと晴れ渡る空のように笑った。

 

 

 

 

 

******************

 

 

 

 

 

「じゃあ魔王サマ、結界を貼りますヨ。ごゆっくり~。」

 

王を王とも思わないダイの声が響き渡ると、その街は大きな透明の幕のようなもので覆われた。

結界と言ってもヒトの出入りは自由だ。

ヒトの負のエネルギーの受け皿である魔王が、ヒトの世界にいる間影響を受けすぎないようガードするためのものだった。

 

「・・・」

 

ダイの陽気な声に返事することなく手をひらひらと振った魔王はフードを深く被り、ヒトの世界をただ見て回った。

その視線の先に、懐かしい人を映し出しては想い出の中で笑みを浮かべていた。

 

「やっと・・・見つけた・・・」

 

苦しそうな声だけども、懐かしい声が樹々の間から聞こえた気がして黎翔はゆっくりと振り返った。

 

「黎翔、やっと・・・」

 

そこには木の幹にもたれ、息も絶え絶えなユーリンがいた。

もう二度と会わないようにと常に気を張り巡らせていたにもかかわらず側に来るまで気が付かなかったことに黎翔は戸惑った。

 

「なっ、どうして?」

「あ、会いたかった、から・・・どうしても、会いたかったの。」

 

今にも消えてしまいそうな声を聞き逃すまいと、黎翔はユーリンの側に近づいた。

 

「・・・え?」

 

ユーリンを間近で見た黎翔は絶句し青ざめた。

 

「な、なんでこんなこと・・・」

 

顔色はなくなり、瞳は絶望のあまりどす黒く染まった。

 

「ね、ぇ、・・・私と、会った時・・体調崩したり、怪我とかしてない?」

「そんなことどうだって・・・」

「また倒れたりとかしてない?ちょっと顔色、悪い、かな?」

 

笑いながらも次から次へと瞳からぽろぽろと綺麗な雫が頬をつたい地面を濡らす。

いつまでも止みそうにない涙に黎翔が手を伸ばした。

 

「だ、だめっ。触っちゃダメなの・・・ただ、一目でも会いたくて・・・ごめんね。こんなになっちゃって。」

 

ユーリンは幹にもたれたまま、自分の身体に視線をやった。

黄金色に輝いていた羽はもげ、背からは止まることなく血がしたたり落ちていた。

妖精の象徴である羽をもいでしまったために黎翔のレーダーに引っかからなかったのだ。

黎翔の瞳からもつーっと透明な涙が零れ、何度もユーリンの上にそうっと降り注ぐ。

その涙の温かさにユーリンは苦しさも忘れ微笑んだ。

 

「黎翔はどうして私にそう優しいの?」

 

ユーリンにそう問われて、黎翔は暫く思案した後、重い口をやっと開いた。

 

「君が・・・君が僕の大切だった人と似ているから、だ。」

 

とても辛そうに呟いた一言にユーリンの身体に衝撃が走った。

それはきっと張じぃが話してくれたあの話の中に出てきた女性なのだろうと容易に想像はついた。

そして、それが本当ならば、彼が垣間見せる憂いのある瞳や、自分の向こうを見ている様な感覚に合点がいく。

 

「そう。その人は、今も黎翔の大切な人なの?」

「・・・うん。そうだね。これまでも、これからも、ずっと変わらない。」

 

遠くを見つめ、愛おしそうに、でも寂しそうに笑いながらはっきりと言い切った黎翔に、何故かユーリンは寂しくなった。

 

「それより、君はどうしてこんなことをしたんだ?こんなことをすれば命を落とすことくらいわかっているだろう?」

「ふふふ。心配してくれるの?」

「当たり前だ!」

 

黎翔の怒りが弾け、空間を歪ませ風が強く吹き付ける。

 

「ごめ、ね。だって会いた・・かった。一緒にいれないのは、ふぅ、知ってた・・けど、ただ、会いたかった。」

 

悲し気に笑ったユーリンを見て、黎翔は指の隙間からぽたぽたと血がしたたり落ちるほど拳を強く握りしめた。

 

「今度こそ、僕とは関係ない場所で幸せにって・・・思ったのに。なんで・・・」

「泣かないで、黎翔。」

 

黎翔の呟きが聞こえないかのようにユーリンは残る力を振り絞って、笑った。

 

「きっと・・・きっと一目ぼれしたの、貴方に。勝手に。だから、許してね。」

 

少しずつ顔色を失い、息を切らすユーリンが儚くなる瞬間―――――

 

「ダイ!後で覚えてろよっ!!」

 

全てを凍り付くすかのような冷たい声が辺りに響き渡ると同時に天が厚く黒い雲に覆われ、稲妻がユーリンのもたれる樹に向かって落ちた。

人々は急な天気の変化と落雷に驚き、その割には被害が樹一本という不思議さにざわめき樹の周りに集まってきた。

 

「おいっ、女の子がいるぞ!」

 

誰かが叫ぶと人々は恐る恐る雷で真っ二つに割れた樹の根元を覗き込んだ。

するとそのざわめきに呼応するかのように、倒れていた少女がゆっくりと瞳を開けた。

 

「え?わ、たし・・・死んだんじゃ・・・え?」

 

雷に打たれたと思っていた少女が何ともなさそうなのをみて人々は更にざわついた。

その人々の間を縫って、マントを被った男が少女に近づき、慣れた手つきでひょいっと抱き上げる。

 

 

 

 

「やっぱり君は凄いよ。また飛び込んでくるとはね。」

 

ふぅ、と大きな溜息をつきながら黎翔は頭を左右に振った。

 

「え?あれ?大きさ?」

「うん。だってあのままだとやっと会えたのに死んじゃうところだったし。」

 

面白くなさそうに口を尖らす黎翔にユーリンは呆れ顔で返す。

 

「いや、会わないようにしてたのはそっちでしょ?」

「うーん、ちょっと君のとは意味が違うんだけど。」

「意味が違うって?」

「ふふふ。長い話になるんだ。付き合ってくれるかい?」

 

すたすたとユーリンを抱き上げたまま歩きながら黎翔は目線が合うように覗き込んだ。

 

「教えて・・・くれるの?」

「ああ。全部ね。君にとっては辛い話もあるけれど・・・結局こうして僕のところに戻ってきてしまうんだから、僕ももう諦めるよ。さすがユーリンだよね。」

 

嬉しそうに頬を染めながら言う黎翔は、魔王とは程遠いほど緩み切った笑みを浮かべている。

 

「それってどういう・・・???」

「まぁ長い話になるよ。取り敢えず・・・帰ろう。」

「帰るってどこに?」

「ん?僕の城にさ。」

「魔界の?」

「ああ。きっと元気に過ごせると思うよ。魔界の事については相変わらず口うるさいリーが色々教えてくれるだろうし、エンもいるから元気に口喧嘩もできる。スイの奏でる魔界の調べもまぁ悪くはない。」

 

次々に黎翔の口から出てくる人物(魔物の名前)にユーリンは面食らってしまう。

 

「誰ですか?それ。」

「ああ、直ぐに覚えるさ。君は・・・君だから。」

 

付き物が落ちたかのようなすがすがしい笑顔を向けられてユーリンの頬は真っ赤に染まった。

 

「ああ、その頬、真っ赤に染まって。相変わらずおいしそうだよね。話が終わったら、まずはそこから齧らせて?」

「はぁ?齧るって何ですか!」

 

腕の中であたふたしだしたユーリンを容易に抱き上げたまま、黎翔はすたすたと歩き出し、人目のないところまで来ると大きな黒く濡れた羽を広げ空へと飛びあがった。

落ちないようにぎゅうっと黎翔に抱き付くユーリンが可愛くて、黎翔はユーリンの耳元に唇を寄せ、触れさせながら囁いた。

 

「どんな結果になろうとも・・・どんな立場であろうとも。二度と君を諦めたりしないよ。」

 

その言葉にユーリンが脱力して黎翔に全身を預けるのを満足げにほほ笑むと、愛おしそうに抱きしめて、空の彼方へと向かった。

 

 

 

************

 

 

時間の関係で←大人の事情的な

一大スペクタルは端折りました←

読みたい人いるかなぁ?

脳内にはあるんですけどね!(#^^#)

 

今回も素敵絵師様志緒様より、抱き上げて嬉しそうな陛下の公開のお許しを得たので一緒に公開させていただきました。

志緒様ありがとうございます!(#^^#)

 

ふりーだむお祭り企画にお付き合いいただきありがとうございました!!

久しぶりにブログを開けて、コメントや拍手を頂けて、とっても嬉しかったです!

ありがとうございました!!

コメント返信はまた後日しますのでもう少しお待ちくださいませ。

 

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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
10/31 23:59ですよ?!
凄くないですか?
書き手魂を見た気が致しました。
さすがは、やればできる子❤まんまるこさん♪
シンデレラに待ったをかける投稿時間に天晴です!

愛ですわ!愛は尊いものですわ!
と紅珠が叫びそうな展開にニヤニヤ~。
愛の力技ありがとうございます。

それにしてもオールスター勢揃いの「魔界いいとこ一度はおいで♪」
スペクタクルはピロートークで裏ですよね、分かります。

祭りで踊り疲れたでしょうから、今はしばしごゆっくりと。
あらたに萌と英気を養って、個人誌と諸々に向けて頑張りましょう!
連載お疲れ様でした♪
ユーリン一途!捨て身!そりゃあ魔王様も降参するしかないですよねぇ。
一大スペクタクルも、お部屋で齧られ中のユーリンもどっちも待ってる!
素敵イラストと共にとっても楽しませて頂きました(^-^)
ぞ、続編を…下さい:(´◦ω◦`):

そう思ってしまう程、素敵な幻パロでした(*´ω`*)
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