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リクSS 夢現 前編

こんにちは!

おひさしぶりです!まんまるこです!

こちらは殆ど放置ですみません。

あちらでの更新で手いっぱいでして・・・。

今日は旧盆で仕事が休みなので、旦那の実家でPC広げております←それもどうなのか?

ということで。

こちらは、キリリクで書かせていただいたお話です。

 

 

 

 

【臨時花嫁】 

 

 

 

 

_____後宮立入禁止区域。

 

今日も夕鈴は掃除に勤しんでいた。

そして、老師と浩大は夕鈴をからかって楽しむことに勤しんでいた。

 

「だから、お妃よ、たまには陛下に甘えてみよ。」

「む、無理です!何言ってくれてるんですか?」

「甘えることも陛下を癒すことになるのだぞ。わからぬのか。」

「わかりません!わかりたくもありません!!なんで甘えなきゃいけないんですか!!」

「馬鹿者!!妻に甘えられて嫌な夫などいるものか!たまにはしなだれかかったり、自分から抱き付いたりせんか!」

「そ、そ、そ、そんなことできません!」

「これ、妃とは王を癒すものぞ。これくらいせんでどうする。」

「わ、私は偽物です!!そんな事は本物のお妃様がすることです。私がやっても陛下は癒されません!!」

 

自分で言った言葉に胸がツキンと痛んだのを夕鈴は気が付かない振りをしてまた掃除を続けた。

 

「え~、へーか喜ぶと思うけどなぁ。お妃ちゃんやってみれば?」

「な、な、何を?む、無理よ!そんな恥ずかしいこと・・・」

「んじゃさ、オレっちが暗示かけてやるからさ。そしたら恥ずかしくないんじゃネ?」

「・・・」

 

先程まで兎に角無理だと言い張っていた夕鈴がピタッと動きを止め思案しだしたのを見て、もうひと押しだな、と優秀な隠密はほくそ笑む。

 

「オレって優秀な隠密だからさ、必要とあれば暗示をかけることもあるんだヨ。お妃ちゃんにもかかると思うぜ。そしたらお妃ちゃんは恥ずかしがらずにへーかを癒してあげられるじゃん。」

「・・・」

「どお?」

「それは良い!お妃、すぐにかけてもらえ!!」

「で、でも・・・本当に陛下は私に甘えられたいのかしら?御迷惑じゃないかしら?」

「何を言っとる!さっきから申しておろうが!陛下はお前さんに甘えられたいのじゃ!!」

「本当に?」

「ああ、たまには甘えてもいいんじゃねぇの?いっつも甘えてくれない、他人行儀だって落ち込んでたぜ~。」

 

浩大が最後に言った言葉が響いたのか夕鈴の雑巾を持つ手に力が入った。

夕鈴はどうしようか暫く考え込んでいたが、俯いていた顔を上げると挑むような目つきで言った。

 

「わ、わかったわ!私、やってみる!!浩大!!今すぐかけて。」

 

心が決まれば早いもので、今度は浩大の襟首を掴んでゆさゆさ揺らす。

 

「ちょ、ちょっと!苦じぃ~、離して・・・」

「あ、ご、ごめん・・・。と、兎に角!早くしてちょうだい!!」

 

鼻息も荒く腰に手を当て仁王立ちして暗示を掛けろと言い放つ夕鈴を見て、これは楽しくなりそうだな、と浩大はニヤッと笑った。

 

 

 

 

********

 

 

 

 

「ほい、これでかかったはずだよ。」

「へ?何も変わってないみたいだけど?」

「ん~ん、大丈夫だよ。ま、ちょっと待ちなヨ。取り敢えずいつも通り過ごしてなヨ。」

「・・・」

 

怪しさ満載の浩大の暗示に訝しげな目線を送りつつ掃除に戻ろうと雑巾を再び持った時だった。

 

「わが妃は楽しそうだな。」

 

後ろから胸に秘めた想いの主である人の声が響いた。

その途端、心臓がドクンといつもよりもずっと高く鳴った気がした。

ドキドキが止まらず、声を聞いただけだと言うのに頬が熱くなるのを感じる。

 

「へ、陛下!!」

「ん?」

 

名前を呼ぶと応えてくれる、それが嬉しい。

そう思った瞬間夕鈴は駆けだしていた。

 

「ゆ、夕鈴?ど、どうしたの?」

 

急に抱き付いてきた夕鈴に驚き固まってしまった陛下をなおもぎゅーぎゅーと抱きしめながら夕鈴が答えた。

 

「陛下~、あ、会いたかったです。お会いできて嬉しいです。」

「・・・???」

「さ、寂しかったです。ぎゅって、ぎゅってしてください。」

 

何事かと思いながらも、頬を染め涙を目に溜めて上目遣いで見上げながら懇願する夕鈴に勝てるわけもなく、陛下は夕鈴を抱きしめ長椅子に座ると膝の上で横抱きにした。

すると夕鈴は満足そうに笑って陛下の襟元を掴み胸に顔を埋め幸せそうな顔をしている。

困り顔の陛下を見てニヤニヤと笑う浩大と老師を冷たいオーラを纏いながら睨み付けた。

 

「・・・子細を。」

 

 

 

 

********

 

 

 

 

「はぁ~。お前たちは余計なことを・・・。」

 

浩大と老師の話を聞いている間も夕鈴はぎゅーぎゅーと抱き付いて来ては頬を摺り寄せたり可愛らしい頬を染めてて見上げてくる。

そんな常とは違う甘えてすり寄ってくる夕鈴に嬉しいやら困ったやらで陛下は困惑していた。

愛しい娘に甘えられて嬉しくないわけはないが、これは術によるもので、彼女自身がやりたくてやっているものではないだろう。そう思うと悲しくもなってきた。

 

「兎に角、早く彼女を元に戻せ。身が持たん。」

「え~、楽しんじゃえばいいじゃん?こんなお妃ちゃん二度とお目にかかれないかもヨ~。」

 

浩大の言う事も一理ある、とは思う。

しっかり者で甘えることが苦手な夕鈴が自分にこんなに甘えて縋ることなど考えられない。

でも、僕が欲しいのは夕鈴の心であって、偽りの何かではないのだ。

嫌われても泣かれても、それが彼女の心であれば僕は受け入れたいと思う。

それくらいには彼女が大事なのだ。

だから、これはなんか違う気がする。

 

葛藤している陛下を見て取った浩大はニヤニヤと笑う顔を崩すことなく告げた。

 

「でもサ、へーか。オレがかけたのは心を解放する暗示だヨ。お妃ちゃんの中にへーかに甘えたいって気持ちがちびっともなければこんな事しないはずだぜ~。」

「・・・」

「って事で!」

 

窓枠を蹴って屋根に上がった浩大に向けて小刀を放つも掠らせることもなく逃げて行った。

 

「一晩寝れば解けるからさ~。」

 

あはははと能天気な笑い声を残して気配を消した隠密に殺意がわく。

部屋の中に目を向けると老師も同じように姿を消しており溜息を零すことしか出来ない。

 

「はぁ~。」

「わ、私のせいで陛下の御心を煩わせてしまってるんですね?す、すみません。お、下りますね。」

 

どうしたらいいのか頭が痛くなり大きく溜息をつくと、先程まで嬉しそうに擦り寄ってきていた夕鈴が泣きそうな顔をして膝から下りようとワタワタしだした。

 

「ち、違うよ!ゆうりんは何も悪くないよ。このままいて?」

 

子犬の態で顔を覗き込むとほっとした顔をしてまた僕の胸に顔を寄せて上目遣いで笑う。

破壊的に可愛い。可愛すぎる。これはやばい。

本能が頭をもたげるのをどうにか制して抱きしめるだけに留まるよう努力する。

____努力、は、した。

頭に口付けを落とすと恥ずかしそうな顔をしながらも嬉しそうに笑う君の赤く染まった頬が美味しそうだったから、つい頬にも口付けて、ついでに顔中に口付けを落としてしまった。

一瞬キョトンとした夕鈴にヤバい!と思ったが彼女の反応は僕の予想とは違って。

更に頬を真っ赤にしたのは思った通りだったけれど。

その後、僕の手をそっと包み込むと口付けた彼女の頬に重なるように置いて涙目で見上げて来て微笑むのだから理性を総動員しなければならなかった。

 

____これってどんな拷問なの?

 

 

 

 

**********

 

 

 

さぁ?どんな拷問なんですかね?

 

続きます。

 

 

 


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