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道程5

どんどん転載していきますよ~。

 

っていうか、今読むと変な文章ですね。

 

書き直してるんだけど・・・これ以上手の入れようがないのですみませんがお許しを。

 

 

**************

 

 

 

初めて朝まで寝所を共にした翌日_____。

 

「ごめんね、今日は朝から行事が多くて。もう行かなきゃ。」

 

陛下はとても申し訳なさそうに言って、最後に甘く蕩けるような口づけを残し去って行った。

私はというと、下っ端妃は後宮に引きこもって落ち込んでる振りをするように、と李順さんに言われたので、大人しく立ち入り禁止区域で一日中掃除に励むことにした。

 

「バイットちゃーん。」

 

もう!また!!

 

「浩大~、いい加減普通に現れてよ!!心臓が止まるかと思ったわよ。」

「マジ?そうなったらオレの心臓も止まっちゃうかも~。」

 

なに訳の分からないことを言ってるのかしら?この隠密は。

 

「何か用?」

 

意識せずに口から出た言葉は自分でも驚くくらい棘があった。

 

「____めっずらしー。嫉妬?やきもち?」

「うるさいわね。そんな気持ちを抱くこと自体許される立場じゃないもの。わかってるくせに何なのよ。」

 

バイトちゃんと人のことを呼ぶくせにどういうつもりなのかしら?

 

「いや、うん。ごめん。___でもさ、昨日はほら、珍しく朝まで激しく過ごしてたみたいじゃん?ラブラブ~。」

「____浩大?あんた、いつも気になってたけど、もしかして、その、そういう時、すぐ近くにいるの?」

「あーんー、だって、ほら、陛下の隠密だから。陛下がゆっくりできるように邪魔者はオレが排除しないとでショ?でも近くないよ。離れてるけど・・・耳が良くてネ~。」

 

くっそー。絶対聞かれてる。

もう恥ずかしい!

なんで普通に私の前でそんなこと話せるのかしら?

でも仕方ないのかしら?

陛下の為だものね。

 

____でも嫌だわ。

 

「じゃあこれから浩大も忙しくなるのかしら?陛下もお妃様のところに通いづめになるでしょうし。今までみたいにはおしゃべりしたりできなくなる?」

 

身元がばれないように仮面をかぶっている後宮内で、私と陛下の関係もバイトであることも知っている浩大と、こうして他愛もない話をすることは意外にもいい気分転換になっていることは否めない。

それを思うとちょっと寂しくなる。

 

「ん~、どうだろ。あんまり変わんないんじゃないかな?(__だって基本的にはバイトちゃんの護衛兼見張り番だもんな。)」

「そう。よかった。じゃあ、今までよりうんと時間があるから、浩大たまには顔出してよ。」

「たまには~?おいしいものさえあれば日参するぜ~。」

「ふふ、わかったわ。それじゃあお茶もつけるから。約束よ。」

 

___あちゃー、この笑顔は破壊的だナ。

こんな約束したってばれたらやばいかな?

ま、とりあえずはおいしいものはゲットしたし。

隠密は独り言ちた。

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

_____数日前、黎翔自室では隠密の報告を聞きながら酒盛りが開かれていた。

 

粗方報告をし終えた後で、浩大は気になっていたことを口にした。

 

「陛下、あのバイトちゃんだけど。本物のお妃様達が来てもずっといるの?」

「ああ。その予定だが。」

「ふーん。二人ってさ、恋人みたいなものだろ?」

「夫婦だ!」

「いや、そこはともかくさ。バイトちゃんって普通の下町娘だろ?後宮とかって耐えられんの?」

「彼女が望んだのだから耐えるのだろう?____耐えられなくても傍に居るといったんだ。彼女は約束は違えない。____居ないなんて、僕が堪えられないよ。つまんない。」

「ん~。でもさ、普通の庶民の感覚で言ったらさ、今回の事って公然の浮気みたいなもんじゃね?あの子、そういうの駄目じゃないかなって思うんだけド?」

「夕鈴が僕を受け入れないっていうのか?」

「う~ん、わっかんないけド。今回のこの事だってサ、バイトちゃんの本心だとは思えないけどね。」

「本心であろうとなかろうと、いずれは来ることだったのだ。彼女も分かってくれる。」

「そりゃあね。」

 

____陛下ならそうだよね。

だけどさ、バイトちゃんには理解できない世界だと思うんだよネ。

 

「んじゃさ、もしも、もしもだヨ。彼女が逃げ出したら、そしたら、へーかどうする?」

「彼女は____逃げ出さないさ。逃がす気もない。逃げ出しそうなら捕まえろ。」

 

____すげぇ。

何?この執着心。

狼陛下がねえ。

おもしれぇな。

でも、多分これがどこから来るのか気付いてねぇナ。

さて、どうなることやら。

 

浩大は持っていたお酒をぐいっと煽った。

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

その日_____。

 

朝からお妃様達の入宮の為の謁見に始まり、大臣や高官たちからの言祝ぎが次々と続き、夕刻から始まった宴も無事に進んでいるようだった。

 

私はと言えば、他のお妃様達よりも一段下の下座に一応席は設けてもらっていたのだけれど。

やっぱり貴族の御姫様の並びに座ることは畏れ多いし、何よりも大臣や高官たちの蔑むような目付きに耐えられず早々と自室に帰ってきて引きこもっていた。

そうでなくても、李順さん的バイト妃の退宮への道筋というものによると、わたしは落ち込んで引きこもっているにもかかわらず陛下は放っておく、それがつまり寵愛をなくし後宮から追い出される、という筋書きに繋がって好都合らしい。

 

どちらにせよ、あのキラキラな貴族の御姫様達と正装をしてより一層素敵な陛下とが並んでいらっしゃるところを見るのは正直辛かったから助かったのだけど。

 

「バーイットちゃーん!」

「___はぁ。浩大。あんたって・・・」

 

この隠密は何度言っても急に現れては人の反応を見て楽しんでいる。

全く!!人の気も知らないで。

 

「何してんの?」

「見てわかんないの?月見よ。」

「元気ないじゃん?___オレにもちょーだい。」

 

そういうと遠慮もなしに部屋に入ってきて卓の上にあるお菓子を頬張った。

 

「うんめ~。さっすがお妃様の食べるお菓子だねえ。」

「ほんと、贅沢よね。甘やかされてるわ。」

「そんな難しい顔してないで食べてみなよ。」

 

卓のお菓子には手を付けずにボーっと空を見ていたことがばれているらしい。

 

「本当だ。おいしいわね。」

 

一人で過ごしてもちっとも楽しくなくて。

考えても仕方ないからと頭を振っても思い出すのはさっきの宴の陛下とお妃様達の姿。

 

「なあ、これでいいのか?」

「ん?何が?」

「わかってんダロ?」

________いいのよ。これで。これで陛下は幸せになれるって李順さんが言ってたもの。」

「本当にそう思ってんの?」

「ええ。だって陛下は王様ですもの。今回のことはお仕事のようなものでしょう?でも、本物のお妃様達が陛下の心を満たしてくださればもっといいわ。」

「それは本心?」

「____ええ、本心よ。」

 

嫉妬とか独占欲とか、本当はいろいろあるけど、陛下の幸せと御世の為なら私の気持ちなんてどうだっていい。

だから本心だ。

 

「で、本心として。んじゃさ、ずっとここに居んの?」

「ええ、陛下が必要としてくださる間は_____。」

「それって誰が決めんの?」

「さあ、誰かしら?バイトの上司は李順さんだから、李順さんかしらね?」

 

____ああ、へーかの勘違いだナ。

やっぱりこの子、必要性がなくなったらすぐにもいなくなるつもりだ。

 

「でもさ、へーかはずっと傍にって何度も言ってなかったか?」

「ふふ、言ってくださったわね。でもそれもきっと忘れるわ。あんなに綺麗な方たちが来て下さったんだもの。私の事なんかいずれいたことも忘れてしまわれるわ。」

 

____んー、これは逃げられるかな?

まあ、へーかも気付いてないから伝わらなくても仕方ないのか。

全く二人揃って難儀な人たちだナ。

 

「ま、取り敢えずはのんびりしたらいいじゃん?昨日まで連日激しくて体力消耗してんダロ?」

「____浩大・・・。もう。____でもそうね。今日はのんびりするわ。」

 

疲れてると悪い方にしか考えがいかないものね。

こういう時浩大の軽口は助かる。

 

「おやすみなさい、浩大。」

「おやすみ~。明日もおいしいものよろしく~。」

 

最後までちゃっかりなんだから。ふふふ。

私、笑えてるわね。まだ大丈夫みたいだわ。

時間はたっぷりあるもの。明日はお菓子でも作ってみようかしら?

 

 

 

 

 

夕鈴がぐっすり眠りについた頃、寝室に黒い影が一つ。

その人は寝顔を愛しそうに見つめ、夕鈴の頬にそっと手を伸ばし一撫ですると静かに出て行った。

 

 

 

 

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つづく

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