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道程13

さぁ、離宮に戻りますぞ。

 

陛下が何を企てているのか・・・

 

腹黒い陛下が大好きです←

 

 

 

*************

 

 

 

「しかし、いつからこの計画を?」

「最初から、かな?」

「そんなしおらしい顔をして仰っても駄目ですよ!なんですか?じゃあお妃様達は何の為に入宮されたのか分からないではないですか!私と老師が苦労して選んだ方々だったのに・・・」

「お前らが苦労しようとすまいと関係ない。どちらにせよ毒花に違いはないのだからな。まあ・・・迷惑、かけた、かな?」

「わかってらっしゃるのならもういいです。全く、なんですか?夕鈴殿も。まさかそんなことになってるだなんて一言も申さなかったではないですか!陛下に想いを寄せられていることは分かってはおりましたが。」

「だよねー、ゆーりんって隠せないもんねー。」

 

はあ、溜息が出る。

と言うか、溜息しか出ない。

陛下に振り回されるのはいつものこと、慣れていると言えば慣れているが、こんなのは想定外だ。

 

「お前は浩大と話して今後の策を練ってくれ。私はもう少しここに居る。」

「御正妃様の所には行かれないのですか?」

「ああ、あれは最高級の毒花だからな。本当なら触れたくなどなかったのだが策の為に仕方なく、な。ここには癒してくれる夕鈴はいないし、もう彼女以外には触れたくない。昨夜彼女を刻み込んでもらったからな。他の女なぞに塗り替えられては堪らん。それに、多分今夜にでも始まるだろう。桜華には楽しませてもらわねばな。」

 

はあ~、どこまでも溺れていらっしゃる。

最初からこうだったらこんな難儀な事態は避けられたものを。

 

____まあ、仕方ありませんね。

 

己も含め、王の妃が庶民だということが受け入れられるかと問われれば否と答えるだろう。

それほどにこの国では階級が重んじられ、王の血統が守られてきている。

とは言え、黎翔自体、舞姫である母を持つ身であり、その彼を己の生涯の主としてずっと支えてきたのは誰でもなく自分だ。

血筋や血統など何の役にも立たないことを彼自身が実証し、自分もまた黎翔自身に心酔してきた身である。

 

さっさと覚悟をしてくだされば、いくらでももっと穏便な方法を自分が考えたものを・・・。

 

は~っと大きなため息とともに痛む頭を押さえる。

余計な火種を作りたくないがために夕鈴に想いに蓋をするよう圧力をかけ続けたことを少しだけ後悔した李順だった。

 

 

 

 

 

李順自室____。

 

「それで、老師はもうその部屋にいらっしゃるのですね?」

「そうだヨ。老師は一日中その部屋ですべてを記録することになってるんダ。」

「しかし、浩大、貴方は知っていたのですか?」

「ん~、何を?」

「しらばっくれないでください!陛下と夕鈴殿ですよ!!」

「あー、うん。知らないの李順さんだけじゃネ?老師も知ってるし~。」

「はあ~、何でそんな事に・・・。」

「オレも最初何の冗談かと思ったんだけど。でもへーか見てるとさ、面白いじゃん?だからいいかなぁって。」

「いいかなぁ、じゃないですよ。全く陛下には良家の姫をと思っておりましたものを。」

「いいじゃん!持参金たくさん入ったろ?どうせ毒花なんだから、本当にへーかの為にはなんないし。大体、へーかがあんなに執着するところ見たことねえぜ。」

「そんなに、すごいのですか?」

「すげーのなんの。毎日他のお妃様達の所に行った後にバイトちゃんとこで朝までだぜ。どんだけ飢えてんだよって。」

「はあ、それはまた。大変ですね、夕鈴殿も。」

「ほんとに!マジすげーよ、あのバイトちゃん!あの子が陛下の隣に立つの、オレ見たくなってきた。きっと面白いゼ。」

「面白い、ではすみませんよ。全く、今ですら陛下は夕鈴殿に振り回されておられるのに・・・。まあ、彼女であれば、陛下をうまく政務に励むよう手伝ってくださりますし、質素倹約を常としてますし、国としては助かりますが。」

「ダロ?今回持参金で潤っただろうし、第一、政務室の空気がこれ以上悪くなったら、官吏が居なくなるぜ~。」

「はあ~。それも問題ですよ。夕鈴殿が政務室に来られなくなってからの陛下の機嫌の悪さは夕鈴殿が来られる以前のそれを上回ってます。・・・仕方、ないですね。これが成功するよう頑張るとしましょう。」

 

____ですが、彼女がどうするかまではわかりませんね。

もしもの時、陛下はどうされるのか・・・。

私の頭と胴はどうなるんですかねぇ。

考えたくないですね。

 

 

 

 

 

____深夜。

 

「陛下、始まりましたぞ。」

 

老師が陛下の自室を訪れた。

 

「やっとか。で、侍医は?」

「手配いたしました。正妃が陛下を呼んでなさるそうですが如何されます?」

「ふん、向かおう。寵愛をしているフリはしばらく続けなければならぬからな。彼女を囮にして掃除ができるのだから。もう少しくらいは優しくするのも仕方ない。」

「では・・・。」

「参ろうぞ。」

 

 

 

 

 

正妃の部屋に入ると侍医が拱手して説明を始めた。

 

「陛下、御正妃様は只今薬湯の効果により眠っております。」

「ふむ、顔色は良くはないな。・・・どういうことだ?」

 

侍医を睨みつける振りをすると震えだした。

別に聞かなくてもわかってはいるし、こうなるよう仕向けているのだから、本当は笑いたくて仕方ない。

 

「はっ、御正妃様は夜半過ぎに急に腹痛を訴えらたようで私が此方に来た時には既に出血されていました。・・・。」

「・・・つまり?」

「・・・つ、つまり、御子が、いらっしゃったようでして。その、手当ての甲斐無く流れてしまわれました。も、申し訳ございません!!」

 

低く低頭して肩を震わせ必死に言葉を紡ぎだしているようだった。

これが夕鈴だったら何をするか自分でも分からないが、正妃なぞどうなろうと関係ない。

正直に言うとよくやったと褒美を取らせてもいい位だがそういうわけにもいかない。

 

「構わぬ。私も気が付かなかった。連日無理をさせすぎたのであろう。そなたのせいではない。私の愛情が此度のことに繋がったのだ。・・・正妃が無事であるのだから問題はない。気に病むな。もうよい。下がれ。」

侍医を下げると正妃付きの侍女にその場を任せ自室に戻った。

 

 

 

 

 

「陛下、これで確実ですな。」

「そうだな。」

 

老師と浩大と目配せしてほくそ笑む。

 

「どういうことですか?」

「ああ、李順にはまだ詳しくは話してなかったか。ふむ。浩大。」

「はいよ。あのね、李順さん、バイトちゃんに念のため御子を成さない様に薬を飲ませていただろう?」

「ええ、何かあってからでは困りますからね。既に手遅れですが。と言うか、それをいいことに長いこと貪っていたようですがね!」

「ははは、それはまあ同意するところだけど、横に置いといてサ。それさ、他のお妃様達にも飲ませてたんだよね。」

「は?全員ですか?いつからです?」

「だから、全員!!最初から!!」

 

李順が頭を抱えた。

 

「はあ~。それで、何が確実なんです?」

「御正妃様も最初から飲んでんだよね。」

「は?それではおかしいではないですか。先程御子が流れた、と。」

「うん、そうだネ。だから、誰の子だろうね?」

「ま、まさか。輿入れする前・・・と言うことですか?」

「ぴんぽーん!」

「一体どなたの?」

「う~ん、まだ確定はしてないけど、多分輝蘭国国王・・・?」

「ま、まさか!お、親子ですよ。」

「別に珍しくはあるまい?近親間でもありうる話だ。特に王族というのは血を濃くするために親子、兄弟等珍しくはない。」

「ですが、ならば傍に置けばよいものを、何故に白陽に輿入れなど申し込んできたのですか?」

「ふん。ここまで離せばお前のことだ。大体察しはついておるのだろう。」

「・・・。」

「そんなに簡単にこちらを手に入れようなど、白陽も軽く見られたものだ。なあ、李順。そちらの交渉は任せるぞ。」

「・・・御意。」

 

李順は拱手しながら陛下の側近たる冷たく酷薄な笑顔を浮かべた。

 

「眼鏡の、あの薬は子を成さないようにするものだが、既に成している場合、緊急にどうなる訳ではないが、摂取し続ければ流れるのじゃ。陛下から正妃が怪しいと話があったのでのう。」

「怪しい・・・ですか?」

「李順も閨を共にすればすぐに気がつく。あれは始めてなどではなかった。」

「はぁ、陛下の女遊びが役に立ったという訳ですね。」

「・・・。」

「でのう、話を戻しても良いかの?」

「ええ。」

「そろそろ流れる兆候が見られたのでの。食事に少し多めに混ぜてやったのじゃよ。」

「それで今夜にも、と。」

「タイミングばっちりだよね!じーちゃん!」

 

老師と浩大は互いに親指を立て笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

____翌朝。

 

 

 

 

 

正妃以外の妃達は離宮の謁見の間に集められていた。

低頭し拱手して陛下の言葉を待つ。

 

「皆の者、知っている者もいるかもしれないが、昨夜、正妃の子が流れた。」

 

謁見の間は静まり返り、中には肩を震わせ悔しさを滲ませる者もいる。

 

「知っての通り、此方へ来たのは皆を愛でるためであったが、正妃があまりにも気落ちしておるのでな。私は時間の許す限りあれの傍にいることにした。」

 

陛下の言葉を聞き、皆は動揺を隠せずざわめいた。

 

「お前達には寂しい想いをさせるが分かってくれ。・・・李順。」

 

陛下が李順を呼ぶと隣の間へ続く扉が開かれ官吏達が入室してきた。

 

「この者達がお前達の世話をする。庭園で歩くにも足下が心配故付き添わせるようにせよ。私の代わりに良い話し相手になってくれようぞ。この者達に限り、お前達の部屋への入室を認める。以上だ。」

 

そう言うと陛下は李順に目配せをして謁見の間を後にした。

 

 

 

 

 

そしてあちらこちらで陛下の思惑に踊らされた者達が動き出した。

あちらでは睦言が囁かれ、またあちらでは恨み言を連ねる。

またある時には艶声が漏れ聞こえ、ある者達は正妃への企ての算段をする。

 

それが全て聞かれているとも、記録されていることも知らず。

 

そこが陛下の手の内であることにも気がつかず。

 

 

 

 

**************

 

 

 

つづく

 

 

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コメント

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みかんママ様

どうも。まんまるこ、です。
こんな最果ての地まで遊びに来てくださり感謝です(*^^*)

もちろんハッピーエンドは私の中では絶対なので、ご安心くださいね。
でも…せっかく陛下の甘さを補給しようと思って書いた12話が開かないということで…
なんでだろう?
一応全体公開にしてあるのですが…
しばらくたってもまだダメな時はご連絡くださいませ。
折角陛下救済回なのに←

読んでくださってありがとうございます〜(≧∇≦)
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ボナ様

またもやコメント嬉しいです(≧∇≦)
このお話は、出会って早い時期に身体の関係を持ったとしたら、陛下はどういう風になるのかな?って思ったことから書き始めたんです。
夕鈴への気持ちもよくわからず、楽しいおもちゃを手に入れたと思ったとしたら、狼陛下そのものなんじゃないかな?って。
陛下が気持ちになかなか気がつかないがために怒ってしまった愛憎劇にもう少しお付き合いくださると嬉しいです(*^^*)
といってもこのお話、27くらいまであるんです←
しかも、番外編もリクで書いていて、内緒の初夜編もある←←
転載頑張りますー\(//∇//)\

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