• 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31

本誌派生SS第57話④

さぁ、お話も終わりに向かいます。


やっぱりこうでないとですね。



************* 

 


 

ぼんやりと目を覚ます。


部屋の中はずいぶん明るくなっていて、なんでこんなに寝過ごしてしまったのかと焦った。


急いで寝台から降りようとすると何か違和感に気が付いた。


あれ?は、裸!


よく見ると体中に紅い華が咲いていて、昨夜のことを思い出した。


あ、私、へ、陛下と・・・


恥ずかしすぎる!と寝台の上でわたわたしていると声がかかった。


 


「お妃さま、お起きでしょうか?」


「あ、はい。すみません、寝過ごしてしまったようで。」


「いえ、陛下から起きるまで近くで控えるよう言付かっております。お支度のお手伝いをさせていただいてもよろしいでしょうか?」


「い、いえ・・・自分で。」


 


この姿を見られるのは恥ずかしすぎる!


あれ?体がうまく動かない・・・え~~~~~!!!


 


「お妃さま?大丈夫でしょうか?」


 


侍女が心配そうに聞いてきた。


仕方ない。


 


「すみません。手伝っていただけますか?」


 


と声をかける。


 


も~なんなのよ!恥ずかしすぎるわ!


支度の間中、侍女は頬をいつも以上に染め、なんとも言えない生温い視線を送ってくる。


 


「陛下がお泊りになられたようで、素晴らしいですわ!」


「妃の部屋で目覚めるなど、本当にお妃さまへの寵愛は限りなく溢れているのでございますね。」


 


などと、ずっと王の妃への愛について興奮気味に話している。


みんな、紅珠の巻物に侵されてるわ。恥ずかしすぎる!


心の中で叫んでは見るものの、今回はさすがに本当に事があった後なのでどうしていいやらわからない。


 


「陛下より、昼餉を共に、との伝言を受けておりますがその様でよろしいでしょうか?」


もうそんな時間なのね?恥ずかしいけど、ここで断るわけにもいかないわよね。


「はい、その様にお願いします。」


 


いつもは一人でやってしまう支度を侍女に珍しく頼んだせいか、張り切って着飾られた。


宴も謁見もないのにこんなに着飾らなくても、と苦笑いしていると声が聞こえた。


 


「愛しいわが妃よ、目覚めたか?」


 


愛しいあの人がものすごく上機嫌な声と甘い笑顔で部屋の入り口から顔を出した。


 


「お疲れ様です。ものすごく機嫌がよろしいようですね?」


「うん、ものすご~く、いいことがあったからね。」


 


いたずらっ子のように笑うと人払いをして食事が始まった。


 


「陛下は朝からお起きになられ政務に励まれてらしたのに、わたしだけのんびり寝てしまって申し訳ありません。」


「ん~、いいんだよ。だってゆーりん初めてなのに僕が無理させちゃったからね。」


 


頬を染めながらこちらを見る陛下は可愛いけど、その姿と言葉に私は全身真っ赤になってしまう。


 


「へ、陛下、あの、あまり言わないでください・・・恥ずかしいです。」


 


最後の方はものすごく小声になってしまった。


陛下はクスッと笑うと包み込むような笑みを私に向けてくれる。


あー、この微笑みが大好きなのよね。


 


「ねぇ、ゆーりん。ご飯を食べたら一緒に出掛けようね?」


「え?どちらにですか?なにか急な視察でもありましたか?」


「えー、ゆーりん、忘れたの?」


「は?何かありましたか?」


 


さっぱりわからない。


何かあったなら、むしろ朝まであんなことをして大丈夫だったのか?


と考えて思い出してしまい真っ赤な顔で俯いて黙り込んでしまった。


今なら恥ずかしさで死ねそうだ。


 


「ご挨拶だよ!ゆーりん、今日ご実家に結婚の挨拶に行くんでしょ?」


 


あ!そうだった!すっかり忘れていた。


事前に休みをもらい、いつも逃げ回っている父に絶対に家にいるよう手紙も書いた。


あんなことがあったからすっかり抜けていた。


と、また思い出して頭から煙が出そうだ。


何かある度にこれでは身体が持たない・・・


 


「あ、そうでした。でも、浩大とはもう、その、しないので__」


「愛しい妃の口から他の男の名が紡がれるのは面白くないな。」


 


食事の終わった陛下はさっと立ち上がると私の腰をさらい、あっという間に長椅子の上に座らされた。


正確にいうと、長椅子の上に座る陛下の膝の上に座らされている。


ちゃんと伝えなきゃ。


 


「あの、でも、その、わたしはもう、その、陛下が・・・」


「陛下が・・・なぁに?」


「陛下が・・・」


「・・・」


「陛下が・・・」


「ねぇ、言って?君の声で聞かせてくれ。」


 


耳元で囁かれる。死にそう!


 


「陛下が、その、好きなので。あの、おそばにいたいです。」


「僕もゆーりんが大好きだよ。愛してる!だから、ちゃんと貰いに行かなきゃね!」


「で、では着替えを・・・」


「ん~、そうだね。李順が用意してくれてるからそれに着替えてね。僕も着替えてくる。では、また後でね。」


 


陛下は尻尾をぶんぶん振り回しながら自室へ戻られた。


 


さあ、私も急がなくっちゃ!

 

 

 

***************

 

 

 

つづく


スポンサーサイト

コメント

コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する